【編集長の視点】トレジャリー・ファクトリーは小反落も決算発表を先取りし中期経営計画を手掛かりに一段の底上げに切り返し余地
- 2018/4/9 08:52
- 編集長の視点
トレジャリー・ファクトリー<3093>(東1)は、前週末6日に7円安の797円と3日ぶりに小反落して引けた。同社株は、米中貿易摩擦を懸念する全般相場波乱の影響を受けて、今年3月26日に突っ込んだ年初来安値747円から底上げ途上にあるが、25日移動平均線を上抜けた株価水準ではなお米中摩擦が貿易戦争に深刻化するとして一部戻り売りが出た。ただ、6日取引時間中には810円高値までリバウンドしており、下値ではなお売られ過ぎ訂正期待の買い物も続いている。今年4月11日に2018年2月期決算の発表を予定しており、続く2019年12月期業績は現在、推進中の中期経営計画で連続の2ケタ増益、連続の過去最高更新が目標となっていることが買い評価されている。月次売上高が、前年同月比プラスで推移していることもフォローの材料となっており、現に6日取引時間終了後に発表した今年3月の全店・既存店とも連続プラスで着地し、期初から好スタートを切っている。
■新規出店を国内主要都市に拡大しネット事業、海外リユース事業も積極推進
同社が目下集計中の2018年2月期業績は、売り上げ164億2000万円(前期比23.3%増)、営業利益8億5300万円(同16.1%増)、経常利益8億8100万円(同16.2%増)、純利益5億8100万円(同19.7%増)と見込まれ、純利益は、前期に続く過去最高更新となる。今年1月12日に開示した2018年2月期第3四半期(2017年3月~11月期、3Q)決算は、通期予想業績に対して低利益進捗率にとどまったが、通期の新規出店が期首予想の13店舗から14店舗に拡大して新店舗効果が早期化し、2016年9月に連結子会社化した古着ブランド店展開のカインドオルの業績が3Qから改善、昨年10月1日から総合リユースのオンラインショップ「トレファクONLINE」を本格稼働させたことなどが要因となる。
続く今2019年2月期業績の動向については、4月11日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなくてはならないが、同社は、同期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、この目標数値からも続伸が有力となる。中期計画の目標数値は、売り上げとしては175億7800万円、営業利益は9億7200万円、経常利益は10億100万円と掲げており、経常利益は初の10億円台に乗せる。今年2月28日に子会社化したゴルフリユースショップを展開するゴルフキッズ(埼玉県越谷市)の寄与のほか、7業態で156店舗に達する店舗の新規出店を国内主要都市に拡大し、新業態店も開発、ネット事業やネット経由収益の拡大を進め、海外リユース事業を積極化することなどが要因となる。
なお月次売上高は、今年2月が、全店が前年同月比11.0%増、既存店が1.3%増、前2月期通期累計では全店売上高が9.2%増と続伸し、既存店が1.0%増とプラス転換して着地し、今期期初の3月の売上高も、衣料が好調に推移したほか3月16日に服飾専門の「トレファクスタイル亀戸店」をオープンしたことも加わり、同様に9.6%増、1.6%増となった。
■売られ過ぎ訂正で25日線にタッチしなお前期推定ベースのPER15倍台の割安修正に再発進
株価は、昨年12月に昨年来高値1105円と買われ、その後、25日移動平均線で下値を確認する1000円大台出没を続け、世界同時株安の波及で801円安値に突っ込み、期末の配当権利取りで872円へリバウンドしたものの、配当・株主優待制度の権利落ちとともに年初来安値747円に再調整した。同安値水準では、業績実態面から低PER、テクニカル的にも25日移動平均線からマイナかい離幅が大きいとして売られ過ぎ修正期待を高め、25日線にタッチした。足元のPERは、前期推定ベースで15倍台となお割安であり、1000円台大台回復から昨年来高値1105円奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)