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KeyHolderは売り一巡感、総合エンターテインメント事業から撤退して新たな柱の構築目指す
- 2018/4/11 06:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
KeyHolder<4712>(JQ)は、総合エンターテインメント事業から撤退し、M&Aを活用して新たな柱の構築を目指している。株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが売り一巡感を強めている。
■総合エンターテインメント事業から撤退して新たな柱の構築を目指す
Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更した。
17年3月アミューズメント景品企画・製造・販売の子会社ブレイクをフォーサイド<2330>に譲渡した。18年3月にはアミューズメント施設運営の子会社アドアーズの株式をワイドレジャーに譲渡し、総合エンターテインメント事業から撤退した。
今後は、戸建て住宅分譲の不動産事業、商業施設建築事業、店舗サブリース事業(オリスパ社と提携して17年3月期第2四半期から開始)を中心に、M&Aを活用して新たな柱の構築を目指す。
18年2月には、三越伊勢丹プロパティ・デザインと定期建物賃貸借契約締結に関する覚書の締結、ライブ・エンターテインメント事業の開始の検討、広告・プロモーション企画等を行うallfuz(オルファス)社との業務提携に関する基本合意書締結を発表した。ライブ・エンターテインメント事業のライブ・イベントスペースとして、三越伊勢丹・新宿アルタ店の1階および7~8階を新たな情報発信空間として活用する。オルファス社とはアーティスト・タレントのキャスティング業務等での業務提携を協議する。
そして4月9日には、ライブ・エンターテインメント事業で新宿アルタ店を活用したライブ・イベントスペース開設・運営を行う子会社KeyStudioの設立(4月13日付)を発表した。また4月9日には、BIGFACE社のテレビ制作事業の譲受に向けた基本合意書締結を発表した。本契約締結は18年5月、事業譲受は18年7月の予定である。
■18年3月期は関係会社株式売却益計上して最終大幅増益予想
18年3月期の連結業績予想(2月9日に売上高を増額、各利益を減額修正)し、売上高が17年3月期比10.1%減の201億円、営業利益が67.4%減の2億60百万円、経常利益が75.3%減の1億70百万円、純利益が5.0倍の10億50百万円としている。配当予想は17年3月期と同額の年間1円(期末一括)としている。
営業利益と経常利益は、総合エンターテインメント事業における既存ゲーム店舗の集客伸び悩み、VR機器の販売・レンタルの不調、VR関連新規出店に伴う追加投資の影響で大幅減益予想である。純利益は子会社アドアーズ株式譲渡に伴う関係会社株式売却益計上が寄与する。
株主優待制度は、18年3月期末から対象株主を2000株(20単元)以上保有株主に変更した。
■株価は売り一巡感
株価は3月9日の戻り高値158円から反落して水準を切り下げたが、110円近辺で売り一巡感を強めている。
4月10日の終値113円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS7円54銭で算出)は約15倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.9%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS69円69銭で算出)は約1.6倍である。時価総額は約157億円である。
週足チャートで見ると110円近辺が下値支持線の形だろう。売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)