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ソーバルは急動意の場面、19年2月期も増収増益・増配予想
- 2018/4/16 06:56
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソーバル<2186>(JQ)は、組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開している。需要が高水準に推移して18年2月期は計画超の2桁増益だった。そして19年2月期も増収増益・連続増配予想である。株価は決算発表前日に急動意の場面があった。買いが続かず反落したが、あらためて好業績を評価する動きが期待される。
■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開
組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。
技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ国内有数の独立系組み込みソフト開発企業である。M&Aも活用して顧客や分野の多様化、IoTなど新規技術分野の開拓、人材の確保を推進している。17年4月にはユビキタス社からIoTプラットフォーム関連のサービス&ソリューション事業を譲り受けた。
優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築している。17年2月期の主要顧客別売上高構成比は、キヤノン<7751>グループ52.2%、ソニー<6758>グループ12.7%、富士通<6702>グループ8.5%、リクルート<6098>グループ3.3%NTT<9432>グループ2.8%、その他23.8%だった。また17年2月期の取引社数は16年2月期比7社増加の159社だった。日立グループとの取引を開始して自動車関連への展開を加速している。
製造業では技術者不足が深刻化しているため、新製品開発関連などで優秀な技術者に対するニーズが一段と高まっている。人材やパートナー企業の確保が課題だが、受注環境は中期的にも良好である。
■18年2月期は計画超の2桁増益、19年2月期も増収増益・連続増配予想
18年2月期の連結業績は、売上高が17年2月期比3.9%増の82億23百万円、営業利益が18.7%増の5億86百万円、経常利益が17.6%増の5億88百万円、純利益が22.3%増の4億25百万円だった。
計画超の2桁増益だった。受託開発案件が順調に増加し、AI、自動運転、IoT関連の新規顧客獲得も寄与した。事業を譲り受けたIoTプラットフォーム「Alliot」運営コストを吸収して2桁増益だった。売上総利益率は19.0%で0.1ポイント上昇、販管費比率は11.9%で0.7ポイント低下した。
配当は期末50銭増額した。17年9月1日付株式2分割後に換算すると年間24円50銭(第2四半期末12円、期末12円50銭)となり、17年12月期との比較で3円50銭増配となる。配当性向は47.1%となる。
19年2月期の連結業績予想は、売上高が18年2月期比1.5%増の83億50百万円、営業利益が6.7%増の6億25百万円、経常利益が7.5%増の6億32百万円、純利益が0.4%増の4億27百万円としている。配当予想(17年9月1日付株式2分割換算後)は1円50銭増配の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)で、予想配当性向は49.7%となる。
既存顧客からの受注拡大、請負(受託開発)案件の獲得、新規技術分野および新規業種分野の顧客開拓を推進する。コスト面では人材配置転換コストの削減、プロジェクト管理徹底による不採算プロジェクトの排除などで利益水準の向上を推進する。需要が高水準に推移して収益拡大が期待される。
■株主優待制度は毎年8月末に実施
株主優待制度は毎年8月31日現在で1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。17年9月1日付の株式2分割に伴い、18年8月末は1単元(100株)以上~10単元(1000株)未満保有株主に対して500円相当QUOカード、10単元以上保有株主に対して2000円相当QUOカードを贈呈する。
■株価は急動意の場面
株価は決算発表前日の4月10日に急動意の展開となり、上場来高値1497円まで急伸する場面があった。その後は買いが続かず反落した。決算への思惑で買われた可能性がありそうだ。
4月13日の終値1200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円28銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS369円39銭で算出)は約3.2倍である。時価総額は約98億円である。
週足チャートで見ると高値圏で長い上ヒゲを付けたが、26週移動平均線がサポートラインの形だ。あらためて好業績を評価する動きが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)