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うかいは日柄調整完了感、18年3月期減益予想だが19年3月期収益拡大期待
- 2018/4/16 06:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
うかい<7621>(JQ)は飲食事業(高級和食・洋食料理店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。18年3月期は新店開業費用などで減益予想だが、飲食事業の既存店売上の好調で上振れ余地がありそうだ。そして19年3月期は新規出店も寄与して収益拡大が期待される。株価は2月高値圏から反落したが日柄調整完了感を強めている。
■高級和食・洋食料理店が主力
飲食事業(高級和食・洋食料理店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。17年3月期売上高構成比は飲食事業90%(和食46%、洋食42%、物販3%)、文化事業10%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。
中長期成長戦略では「更なるブランドの構築」をテーマとして、既存店の研鑽、飲食の成長、物販の成長に取り組んでいる。
17年2月新業態店舗「ル・プーレ ブラッスリーうかい」を東京・大手町パークビルディングにオープン、17年7月洋菓子店「アトリエうかい」をJR東日本品川駅構内のエキナカ商業施設「エキュート品川」にオープン、17年9月洋菓子店「アトリエうかい」を京王線調布駅直結商業施設「トリエ京王調布」にオープンした。そして18年3月には、東京・六本木ヒルズに鉄板料理「六本木うかい亭」と割烹料理「ROPPONGI kappou ukai」の2店舗を同時オープンした。
海外については17年11月、第1号店の「うかい亭 高雄」を台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内にグランドオープンした。
■18年3月期減益予想だが既存店好調で上振れ余地
18年3月期の非連結業績予想は、売上高が17年3月期比2.6%増の129億円、営業利益が41.5%減の2億66百万円、経常利益が45.8%減の2億25百万円、純利益が52.2%減の1億15百万円としている。配当予想は17年3月期と同額の年間18円(期末一括)で、予想配当性向は80.9%となる。
新業態「ル・プーレ ブラッスリーうかい」や物販「アトリエうかい」の新規出店も寄与して増収だが、事業拡大に向けた人材確保や新店開業費用などで減益予想としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比6.0%増の102億78百万円、営業利益が3.8%増の5億30百万円、経常利益が9.7%増の5億20百万円、純利益が12.1%増の3億40百万円だった。
事業本部(旧飲食事業)の既存店売上が好調に推移し、新規出店した洋菓子店舗も寄与した。売上総利益率は54.7%で0.4ポイント上昇、販管費比率は49.6%で0.5ポイント上昇した。事業本部(旧飲食事業)は売上高が6.3%増の92億88百万円で営業利益が14.3%増の12億75百万円、そして文化事業は売上高が3.6%増の9億90百万円で営業利益が1.5%減の1億25百万円だった。
飲食事業の月次売上状況(アトリエうかい店頭販売含む)を見ると、18年2月は全店106.8%、既存店106.4%だった。既存店売上は4ヶ月連続の前年比プラスと好調である。客単価は15年5月から34ヶ月連続前年比プラスである。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が79.7%、営業利益が199.2%、経常利益が231.1%、純利益が295.7%と高水準である。第4四半期に新店開業費用が発生するが、既存店売上の好調で通期予想は上振れ余地がありそうだ。そして19年3月期は新規出店も寄与して収益拡大が期待される。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月中間期末時点の株主を対象として実施している。
■株価は日柄調整完了感
株価は2月の上場来高値4915円から利益確定売りで一旦反落したが大きく下押すことなく、4400円~4500円近辺で推移して日柄調整完了感を強めている。
4月13日の終値4415円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想EPS22円24銭で算出)は約199倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は約0.4%、前々期実績PBR(前々期実績BPS923円97銭で算出)は約4.8倍である。時価総額は約231億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して過熱感が解消した。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)