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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは営業損益改善基調を評価して水準切り上げ
- 2014/12/4 07:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、10月中旬の直近安値80円から反発して水準を切り上げている。12月3日には91円まで上値を伸ばす場面があった。営業損益改善基調を評価して7月と9月の戻り高値94円を試す展開だろう。
世界23カ国・40連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて売上高が前期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円、そして配当予想が同1円減配の年間2円(期末一括)としている。
ソリューション販売の強化と付加価値サービスの拡充、米国における政府系案件の受注増加、中南米における新規顧客開拓、アジア・オセアニアにおけるパナソニック<6752>とのパートナーシップによる監視カメラソリューションの提供、国内におけるIT関連投資の需要増加、円安に伴う国内販売価格の改定、在庫の適正化、社内ITインフラ投資一巡などで、営業損益が大幅に改善する見通しだ。
第3四半期累計(1月~9月)は前年同期比6.6%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも前年同期に比べて赤字幅が縮小した。製品別には医療機関向けソリューションや監視カメラソリューションの受注が好調で、地域別には日本、米州、アジア・オセアニアでの販売が好調だった。利益面では高付加価値製品・サービスの増加や販管費削減効果も寄与した。
第3四半期累計は営業赤字だったが、第4四半期(10月~12月)の構成比が高い収益構造のため、通期ベースでは営業損益の改善基調が期待される。10月に発表した製品自主回収が業績に与える影響額については精査中だが、想定為替レートは1米ドル=105円であり、ドル高・円安の進行で営業外損益の外貨建て資産に係る為替差益計上も期待されるだろう。
なお11月11日に筆頭株主の異動を発表しているが、当社代表取締役会長大嶋章禎が保有する全株式をオオシマゼネラルホールディングスNO.1に異動したものであり、実質的な筆頭株主に変更はない。
株価の動きを見ると、10月中旬の直近安値80円から反発し、90円近辺まで戻して水準切り上げの動きを強めている。12月3日には91円まで上値を伸ばす場面があり、7月と9月の戻り高値94円に接近している。
12月3日の終値89円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は102倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS94円16銭で算出)は0.9倍近辺である。
日足チャートで見ると上向きに転じた25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ても上向きに転じた26週移動平均線がサポートラインの形だ。営業損益改善基調を評価して7月と9月の戻り高値94円を試す展開だろう。