【株式評論家の視点】データセクション85円高、上場後高値に向け本格出直り
- 2015/3/16 12:31
- 株式評論家の視点
データセクション<3905>(東マ)は、85円高の865円と急伸し出直っている。昨年12月24日に東証マザーズに上場、今年1月7日に高値1730円をつけていた。
ブログやツイッターといったソーシャルメディア情報を収集し、それを活用したSaaSサービスを提供し、業務に精通した部隊がコンサルティングを行い、それを早く形にする開発を行い、安定した運用を行う組織集団。データを集め(ソーシャル・ビッグデータ)、データを捌き(データマイニング技術+市場での実績)、顧客業務を理解し(CRMに精通したソリッドインテリジェンス)、早く・安価に実装(海外開発部隊データセクションベトナム)という必要な要素を兼ね備えていることが同社の強みとなっている。
これまでに累計300社近くの企業にSaaSサービスを導入するとともに、100社以上もの企業でレポーティングの依頼を受けている。ソーシャルメディアを活用した事業は今後様々な領域に拡大していくと同社は考えており、そうした社会の中のデータプラットフォームを構築し、社会のインフラになることが同社の目標である。
今2015年3月期・第3四半期業績は、売上高が2億6400万円、営業利益が5300万円、経常利益が5000万円、純利益が3500万円に着地。SaaSサービス事業では、主力の「Insight Intelligence(インサイトインテリジェンス)」シリーズは、ビッグデータの活用が広く認知されて来ていることから堅調に新規受注を獲得。リサーチコンサルティング事業では、ビッグデータの活用を経営課題とし始めた大企業を始め多くの企業からの引き合いがあり、広告代理店やSIer企業とのパートナーシップ連携によりコンサルティングサービスにおける販路開拓の基盤を築いた。ソリューションサービス事業では、ソーシャルビッグデータの新たなる活用に向けての需要が増加していることから業績も好調に推移している。
通期業績予想は、売上高が4億0900万円(前期は3億1700万円)、営業利益が1億1500万円(同5700万円)、経常利益が1億1000万円(同6000万円)、純利益が7000万円(同4500万円)を見込んでいる。上場で調達した資金は人材の採用活動に充て、成長投資を優先し、当面は無配予想だが、事業は拡大し業績は続伸する見通し。
株価は、1月7日につけた上場来の高値1730円から3月11日に上場来の安値739円とまで57.3%調整し底打ちした。ソーシャルビッグデータは、大手製造業や小売業など300社以上がマーケティング活動などに利用しているが、マスメディアの新たな価値創出やレコメンデーション活用、画像、動画等、リアルタイム性を活用した新サービス、人材育成ソリューションなど領域の拡大が具現化されており、セガネットワークスとの業務提携など、今後の展開に対する期待感は高まる方向。目先一巡感が出ており、上値抵抗線となっている25日移動平均線を突破し、リバウンド局面入りとなるか注目されよう。(株式評論家・信濃川)