【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ジョルダンは強基調を確認、今期の増収増益見通しを評価して9月高値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 経路検索ソフトのジョルダン<3710>(JQS)の株価は、10月10日の直近安値675円から切り返して12月2日には803円まで上値を伸ばした。強基調を確認した形であり、今期(15年9月期)増収増益見通しを評価して9月高値884円を試す展開だろう。

 乗換案内事業(無料版「乗換案内」、有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」、総合旅行サービス「乗換案内トラベル」、および広告、グルメ・運行情報サービスなど)を主力として、マルチメディア事業(電子出版・紙媒体出版、ニュース、教育、その他コンテンツ)や、その他事業(受託ソフトウェア開発、その他新サービス)も展開している。有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」の14年9月末有料会員数は約55万人に達している。

 「移動に関するNO.1情報プロバイダー」を目指し、新サービス開発や機能充実に向けてM&Aやアライアンス戦略も積極活用している。12年9月にグルメぴあネットワークを子会社化(13年4月吸収合併)し、12年11月にはネット旅行販売・情報提供のイーツアーを子会社化、14年7月には合弁で「ミール・プラス」事業のRemunera Jorudan(レムネラ・ジョルダン)を設立した。一方ではマルチメディア事業で不採算事業からの撤退を進めるとともに、新たな採算事業も模索している。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月13日公表)は、売上高が前期比4.2%増の45億円、営業利益が同3.3%増の6億円、経常利益が同1.2%増の6億20百万円、純利益が同2.7%増の3億90百万円、配当予想が前期と同額の年間13円(期末一括)としている。

 製品・サービス別売上高の見通しは、乗換案内事業が同2.8%増の42億60百万円(モバイルが同2.0%減の10億50百万円、広告が同15.4%増の3億30百万円、個人向けが同11.8%減の90百万円、法人向けが同7.1%増の9億30百万円、旅行が同4.2%増の16億50百万円、グルメが同9.5%減の2億円、他乗換が同11.1%増の9百万円)、およびマルチメディア事業が同3.0倍の1億円、その他が同横ばいの1億40百万円としている。

 乗換案内事業では、スマートフォン向け有料サービスの機能強化・会員獲得を推進し、スマートフォン向け無料サービスにおける広告販売拡大、法人・自治体向け案件の販売拡大、旅行関連のパッケージ商品の販売拡大を見込んでいる。マルチメディア事業では前期に設立した子会社の悟空出版において出版事業をあらためて展開する。中期的には訪日外国人旅行客の増加や20年東京夏季五輪開催も追い風となって収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、10月10日の直近安値675円から切り返して12月2日には803円まで上値を伸ばした。強基調に変化はなく、前期配当予想増額修正で急伸した9月高値884円を窺う動きのようだ。

 12月3日の終値796円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS74円72銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は1.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS764円87銭で算出)は1.0倍近辺である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線がサポートラインとなって切り返し、素早く13週移動平均線を回復した。強基調を確認した形であり、今期増収増益見通しを評価して9月高値884円を試す展開だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る