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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ジェイテックは安値圏モミ合いだが調整のほぼ最終局面
- 2014/12/4 07:00
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
技術職知財リース事業のジェイテック<2479>(JQS)の株価は、第2四半期累計(4月~9月)減額修正も嫌気する形で、11月5日に年初来安値となる176円まで調整する場面があった。その後も反発力が鈍く安値圏でモミ合う展開だが、終値ベースで180円台を維持している。調整のほぼ最終局面のようだ。今期(15年3月期)増収増益見通しを再評価して反発のタイミングだろう。
製造業の開発・設計部門向けに技術者を派遣する技術職知財リース事業(特定派遣事業および請負事業)を主力として、子会社ジオトレーディングは製造業向け一般派遣・請負事業を展開している。12年10月にエル・ジェイ・エンジニアリング(旧トステム・エンジニアリング・オフィス)を子会社化して建築設計分野にも事業領域を広げた。
専門教育による知識を基盤として新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的な「エンジニア」と区別していることが特徴だ。そして「技術商社」を標榜し、当社のテクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。
技術職知財リース事業では、機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発の3分野に加えて、建築設計分野を第4の柱として育成している。顧客は自動車関連、産業用機器関連、電子・電気機器関連、精密機器関連、情報通信機器関連、情報処理関連、建築関連など多岐にわたり、特定の業界・企業への依存度を低くして業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。
今期(15年3月期)連結業績見通しは前回予想(5月7日公表)を据え置いて売上高が前期比7.8%増の36億70百万円、営業利益が同15.2%増の1億10百万円、経常利益が同15.9%増の1億10百万円、純利益が同22.9%増の80百万円、そして配当予想が前期と同額の年間1円(期末一括)としている。
第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比1.6%減収で、営業赤字、経常赤字、最終赤字だった。売上高、利益とも計画を下回った。期の前半は新卒テクノロジストの研修期間中の人件費や教育・研修費用が先行する時期のため利益が出にくい収益構造であることに加えて、派遣人員・稼働率が計画を下回り、グループ3社の従業員の待遇改善を実施したことも影響した。
ただし、自動車関連業界向けを中心に大手製造業への派遣需要は高水準であり、派遣単価も大幅に上昇しているようだ。通期ベースでは新卒テクノロジストの戦力化、稼働率の安定化、契約単価見直しなどの効果で増収増益見込みとしている。
中期経営計画では、今後数年間を人材採用・教育など基盤強化の期間と位置付け、経営目標値として17年3月期売上高41億23百万円、営業利益1億76百万円、経常利益1億76百万円、純利益1億20百万円を掲げている。主要取引先の大手製造業では新製品開発など高水準の研究開発投資を継続しているため、技術開発や製品設計に対応可能なスキルを持つ技術者に対して派遣需要が一段と高まっている。製造業における技術者不足を背景として中期的に収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、10月30日発表の第2四半期累計減額修正も嫌気する形で、11月5日に年初来安値となる176円まで調整する場面があった。その後も反発力が鈍く安値圏でモミ合う展開だが、終値ベースで180円台を維持している。調整のほぼ最終局面のようだ。
12月3日の終値185円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS9円44銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績連結BPS62円93銭で算出)は2.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、今期増収増益見通しを再評価して反発のタイミングだろう。