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インフォコムは戻り歩調、18年3月期大幅増益で19年3月期も増収営業増益・増配予想
- 2018/5/1 06:45
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(JQ)は、ITサービスや電子コミック配信サービスを主力として、IoT領域の事業創出も積極推進している。18年3月期は大幅増益だった。そして19年3月期も増収営業増益・増配予想である。株価は好業績を評価して戻り歩調だ。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、ERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安全確認サービスなどのサービスビジネス事業)、および一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス、eコマース、女性向けや音楽系デジタルコンテンツの提供)を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比はITサービス54%、ネットビジネス46%、営業利益構成比(連結調整前)はITサービス42%、ネットビジネス58%だった。収益面では、ITサービス事業は年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■新中期経営計画で成長加速
17年2月策定の新中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を成長の追求と、成長を支える経営基盤の継続強化としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には、20年3月期売上高600億円~800億円(SI・サービス160億円、ヘルスケア140億円、電子コミック300億円、およびM&A200億円)、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
電子コミック事業は最新IT技術による機能強化や、導線強化による会員数拡大を推進する。ヘルスケア事業は地域包括・介護領域の強化を推進する。18年3月には電子書籍事業大手パピレス<3641>の株式を取得(議決権割合9.83%)すると発表した。
■18年3月期大幅増益、19年3月期も増収営業増益・増配予想
18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比9.6%増の457億74百万円、営業利益が22.0%増の58億29百万円、経常利益が23.2%増の59億82百万円、純利益が42.3%増の46億40百万円だった。
重点分野であるヘルスケア事業の回復、電子コミック配信サービスの伸長などで売上高が過去最高を更新し、増収効果で大幅増益だった。売上総利益率は47.2%で0.2ポイント上昇、販管費比率は34.5%で1.0ポイント低下した。特別利益では固定資産売却益11億38百万円を計上した。
ITサービスは売上高が9.3%増の244億91百万円、営業利益が23.6%増の24億59百万円だった。ヘルスケア事業が製薬企業向け大型SI案件や病院向け製品を中心に順調だった。ネットビジネスは売上高が10.0%増の212億83百万円、営業利益が20.0%増の33億60百万円だった。電子コミック配信サービスが第2四半期から海賊版サイトの影響を受けたが、独占先行配信などの施策で売上高が過去最高を更新し、業務効率化も寄与した。
19年3月期の連結業績予想は売上高が18年3月期比9.2%増の500億円、営業利益が11.5%増の65億円、経常利益が9.5%増の65億50百万円、純利益が3.0%減の45億円としている。純利益は固定資産売却益の一巡で微減益予想だが、ヘルスケア事業や電子コミック配信サービスが順調に推移して増収・営業増益予想である。
セグメント別の計画は、ITサービスの売上高が6.2%増の260億円で営業利益が9.8%増の27億円、ネットビジネスの売上高が12.8%増の240億円で営業利益が13.1%増の38億円としている。
なお18年3月期の配当は17年3月期比13円増配の年間38円(第2四半期末10円、期末28円=普通配当26円+創業35周年記念配当2円)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期比2円増配の年間40円(第2四半期末10円、期末30円)としている。予想配当性向は24.3%となる。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。連結子会社ドゥマンが運営する食品通信販売サイト「オーガニックサイバーストア」で利用可能なポイント(1ポイントを1円として利用)を保有株数と保有年数に応じて贈呈する。
■株価は戻り歩調
株価は3月の直近安値圏1900円台から切り返して戻り歩調だ。4月27日には好業績を評価して2640円まで急伸する場面があった。
4月27日の終値2531円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円56銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1032円15銭で算出)は約2.5倍である。時価総額は約729億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)