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日本エンタープライズは底放れの動き、事業ポートフォリオ再構築で19年5月期の収益改善期待
- 2018/5/2 06:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
日本エンタープライズ<4829>(東1)は、店頭アフィリエイトサービス事業や中国での携帯電話販売事業を譲渡し、事業ポートフォリオ再構築を推進している。18年5月期減収・営業減益予想だが、19年5月期の収益改善を期待したい。株価は底放れの動きを強めている。
■事業ポートフォリオ再構築を推進
クリエーション事業(交通情報、ライフスタイル、エンターテインメントなどのモバイルコンテンツをキャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、およびビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、ソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、店頭アフィリエイトを中心とした広告代理サービス、海外サービスなど)を展開している。
事業ポートフォリオ再構築で18年2月、店頭アフィリエイトサービス事業をテレステーションに譲渡した。また18年3月、中国で携帯電話販売事業を展開する連結子会社の因特瑞思の出資金持分を売却した。因特瑞思の100%子会社である瑞思創智も譲渡先に移動して事業撤退した。
中期成長に向けて、ネイティブアプリの開発力強化、ゲームコンテンツ市場への本格参入、法人向け業務支援サービスの早期収益化、成長分野のM2M/IoTへの事業領域拡大などを推進する。
コンテンツサービスではヘルスケアアプリ「女性のリズム手帳」、総合電子書籍サービス「BOOKSMART」、フリマアプリ「フリマjp」、交通情報サービス「ATIS交通情報サービス」などの拡大を推進し、ビジネスサポートサービスではチャットアプリ「Fivetalk」などを核としてEC関連の受託拡大を推進する。
またビジネスサポートサービスでは、18年2月子会社の会津ラボとエナリス<6079>が福島県の再生可能エネルギー関連技術実証支援事業の一環として、ブロックチェーンと「SMART PLUG」を活用した「高齢者見守りサービス」の実証試験を開始した。
18年3月には子会社の会津ラボが、福島県の「自動運転に係る情報基盤の構築およびまちなか巡回車両の実用化に向けた実証実験」第2期の申請に向けて、福島トヨペットと協業すると発表した。
■18年5月期減収・営業減益予想
18年5月期連結業績予想(1月31日に売上高、営業利益、経常利益を減額、純利益を増額修正)は、売上高が17年5月期比16.5%減の40億40百万円、営業利益が24.5%減の1億45百万円、経常利益が横ばいの2億30百万円、純利益が10.5%増の1億10百万円としている。配当予想は17年5月期と同額の年間2円(期末一括)としている。予想配当性向は73.8%となる。
キャリアプラットフォーム向けコンテンツ市場の縮小、豊洲市場への移転延期に伴う鮮魚EC「いなせり」への影響、中国における携帯電話販売の不採算販売抑制の影響、店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡などで減収・営業減益見込みである。経常利益は営業外での補助金収入増加で横ばい、純利益は店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡益計上で増益見込みである。
なお第3四半期累計は、売上高が前年同期比18.4%減の29億90百万円、営業利益が67.2%減の73百万円、経常利益が41.8%減の1億42百万円、純利益が10.2%増の66百万円だった。クリエーション事業はコンテンツサービスの減少などで16.2%減収、ソリューション事業は広告代理サービスの市場縮小や海外の減少で20.4%減収だった。売上総利益は19.5%減少した。営業外では補助金収入68百万円、特別利益では事業譲渡益1億43百万円を計上した。
事業ポートフォリオ再構築で19年5月期の収益改善を期待したい。
■株価は底放れの動き
株価は安値圏220円近辺で推移しているが、5月1日には231円まで上伸して底放れの動きを強めている。
5月1日の終値231円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円71銭で算出)は約85倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS122円14銭で算出)は約1.9倍である。時価総額は約94億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。続いて26週移動平均線突破の動きを強めている。底放れて出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)