神鋼商事は目先的な売り一巡して反発期待、19年3月期減益・減配予想だが保守的

日インタビュ新聞ロゴ

 神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。市場環境が良好に推移して18年3月期は大幅増益だった。配当は増額して増配となった。19年3月期は不透明感が強いとして減益・減配予想だが保守的だろう。株価は決算発表を機に戻り高値圏から急落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。

■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社

 神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。

 18年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼47%、鉄鋼原料16%、非鉄金属25%、機械・情報11%、溶材1%だった。

 中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。

■18年3月期大幅増収増益、19年3月期減益・減配予想だが保守的

 18年3月期の連結業績は売上高が17年3月期比20.8%増の9294億67百万円で、営業利益が68.5%増の81億19百万円、経常利益が64.3%増の86億24百万円、純利益が83.5%増の54億49百万円だった。

 取り扱い数量増加や価格上昇などで大幅増収増益だった。セグメント別の経常利益は、鉄鋼が53.1%増の40億48百万円、鉄鋼原料が33.8%増の13億94百万円、非鉄金属が52.6%増の21億75百万円、機械・情報が8.6倍の9億67百万円、溶材は65.3%減の94百万円だった。

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比1.0%減の9200億円、営業利益が21.2%減の64億円、経常利益が22.3%減の67億円、純利益が19.3%減の44億円としている。セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が34億円、鉄鋼原料が8億円、非鉄金属が19億円、機械・情報が10億円、溶材が3億円である。不透明感が強いとして減益予想だが保守的だろう。

 18年3月期の配当予想は4月27日に期末10円増額して年間110円(第2四半期末45円、期末65円)とした。16年10月1日付株式併合(10株を1株に併合)を考慮して17年3月期を年間100円に換算すると、17年3月期との比較でも10円増配となる。また19年3月期の配当予想は18年3月期比10円減配の年間100円(第2四半期末45円、期末65円)で、予想配当性向は20.1%となる。

■株価は目先的な売り一巡して反発期待

 株価は決算発表を機に戻り高値圏3900円近辺から急落したが、売られ過ぎ感を強めている。

 5月1日の終値3290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS496円92銭で算出)は約7倍で、今期予想配当利回り(会社予想の年間100円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5741円27銭で算出)は約0.6倍である。時価総額は約292億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだ。しかし日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。目先的な売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る