レカムは中国子会社の上場申請受理を好感して急反発、18年9月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想

 レカム<3323>(JQ)は、情報通信事業を主力として、海外法人事業、BPO事業も展開している。18年9月期は情報通信事業の伸長、M&A効果、海外法人事業の拡大などで大幅増収増益予想である。株価は4月26日発表した中国子会社の上場申請受理を好感して急反発している。なお5月14日に第2四半期累計決算発表を予定している。

■情報通信機器やLED照明を販売する情報通信事業が主力

 中小企業向けに情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する情報通信事業を主力として、海外で情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する海外法人事業、そして業務プロセスを受託するBPO事業も展開している。情報通信事業は直営店、FC加盟店、グループ関連会社、および代理店で展開している。17年9月期の事業別売上高構成比は情報通信事業84%、海外法人事業10%、BPO事業7%だった。

 17年12月に光通信<9435>とLED照明・業務用エアコン販売で資本業務提携し、18年1月には光通信の子会社アイ・イーグループ・エコの株式51%を取得して子会社化(レカムIEパートナーに社名変更)した。これに伴い18年9月期の事業区分は、情報通信事業から環境関連事業(18年9月期中にレカムIEパートナーとレカムエナジーパートナーを合併予定)を分離する。

 18年2月にはマレーシアでLED照明・業務用エアコンの販売を開始した。海外法人事業は中国(上海、大連、広州)、ベトナム、ミャンマーに続く展開となる。

 18年4月には、情報通信機器・光回線販売のR・S、およびOAソリューション事業・NTT回線事業のG・Sコミュニケーションズの株式譲受が完了して100%子会社化した。

 なお4月26日には、中国で日系企業向けBPOサービスやLED照明販売・施工などを展開する子会社のレカムビジネスソリューションズ(大連)が、中国の新興企業向け市場「新三板」に上場申請受理されたと発表している。18年7月末~8月頃に審査結果が判明する見込みだ。

■18年9月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想

 18年3月期の連結業績予想(2月14日に増額修正)は、売上高が17年9月期比49.8%増の77億円、営業利益が2.4倍の7億円、経常利益が2.6倍の6億70百万円、純利益が2.4倍の3億40百万円としている。配当予想は50銭増配の年間1円50銭(期末一括)としている。予想配当性向は26.5%となる。

 第1四半期は事業拡大に向けた人員増強で人件費や採用費が増加し、本社移転費用も影響して営業赤字だったが、通期は情報通信事業の伸長、M&AによるレカムIEパートナーの新規連結、海外法人事業の拡大などで大幅増収増益予想である。

 通期のセグメント別計画は、情報通信事業の売上高が11.6%増の46億30百万円で営業利益が39.2%増の1億75百万円、環境関連事業の売上高が8.8倍の13億70百万円で営業利益が5.5倍の1億65百万円、BPO事業の売上高が46.6%増の6億80百万円で営業利益が85.2%増の1億円、海外法人事業の売上高が2.4倍の11億60百万円で営業利益が3.2倍の2億60百万円としている。利益面では海外法人事業の構成比が最も高くなる見込みだ。

 中期経営計画では、目標値に19年9月期売上高100億円、営業利益10億円を掲げ、4事業(情報通信事業、環境関連事業、BPO事業、海外法人事業)の規模拡大に向けたM&A戦略も推進している。

■株価は急反発

 なお3月19日に、第三者割当(マッコーリー・バンク・リミテッド)による新株式発行(173万1000株)と第18回修正条項付新株予約権(9万個=900万株)発行を発表している。

 株価は急伸した1月高値553円から反落して水準を切り下げたが、直近安値圏の200円近辺から急反発している。4月26日発表の中国子会社の上場申請受理を好感し、4月27日には295円まで上伸する場面があった。

 5月2日の終値266円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS5円65銭で算出)は約47倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円50銭で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS27円26銭で算出)は約9.8倍である。時価総額は約177億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る