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京写は下値固め完了して出直り期待、19年3月期大幅営業増益予想
- 2018/5/7 06:34
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。自動車関連やLED照明関連の受注が増加基調である。18年3月期は原材料価格高騰で減益だったが、19年3月期は価格適正化も進展して大幅営業増益予想である。株価は下値固め完了して出直りが期待される。
■プリント配線板の大手メーカー、LED照明関連市場が拡大
プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。
17年3月期の製品別売上高構成比は片面板41%、両面板45%、その他(実装治具関連)13%、製品用途別売上高構成比は自動車関連36%、家電製品23%、事務器11%、映像関連9%、アミューズメント関連3%、その他18%だった。
幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、LED照明関連市場の拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連を強化している。収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、LED照明関連市場の拡大が追い風である。新製品では車載ヘッドランプ向けの開発が完了し、受注も進展している。
中期経営計画では、目標数値に21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げている。株主還元は配当性向20%を目標とする。車載ヘッドランプ向け新製品など高付加価値製品の拡販、フイルム基板など新製品の開発も推進する。
なお18年3月には、一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA)主催の第1回JPCAものづくり大賞において、京都工場が大賞を受賞した。全員参加での組織的な改善活動「ダントツ生産KAIZEN」が評価された。
■18年3月期減益だが、19年3月期は大幅営業増益予想
18年3月期連結業績は、売上高が17年3月期比9.6%増の212億53百万円、営業利益が17.3%減の5億79百万円、経常利益が13.1%減の6億15百万円、純利益が16.0%減の4億65百万円だった。
主原料の銅張積層板の価格高騰や増産対応に伴う外注費の増加などで減益だった。ただし売上面では、国内のプリント配線板事業は自動車関連や液晶テレビ関連、実装関連事業はスマートグリッド関連や自動車関連、海外は中国やインドネシアにおけるLED照明関連が好調に推移して増収基調に変化はない。売上総利益率は17.5%で1.1ポイント低下、販管費比率は14.8%で0.2ポイント低下した。営業外では為替差益が増加した。
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.5%増の220億円、営業利益が29.4%増の7億50百万円、経常利益が20.3%増の7億40百万円、純利益が7.4%増の5億円としている。自動車関連やLED照明関連の好調、原材料価格上昇に対応した価格適正化の進展、海外法人設立に係る一時的費用の一巡などで大幅営業増益予想である。
18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間8円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間8円(期末一括)で、予想配当性向は22.8%となる。
■株価は下値固め完了して出直り期待
株価(18年4月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更)は安値圏だが、450円近辺で下値固め完了感を強めている。
5月2日の終値471円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円89銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS473円72銭で算出)は約1.0倍である。時価総額は約69億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。下値固め完了して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)