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クリナップはレンジ上放れ期待、19年3月期大幅増益予想
- 2018/5/9 06:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。18年3月期は市場伸び悩みなどで大幅減益だったが、19年3月期は新製品拡販などで大幅増益予想である。株価はモミ合いレンジから上放れの展開を期待したい。
■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。なお収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。
■18年3月期大幅減益だが、19年3月期は大幅増益予想
18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比5.5%減の1073億86百万円、営業利益が79.9%減の3億98百万円、経常利益が76.7%減の4億18百万円、純利益が96.3%減の49百万円だった。
売上面では、新設住宅着工戸数の前年割れやリフォーム需要の低迷など、想定以上の市場伸び悩みの影響で計画未達となり減収だった。厨房部門は6.1%減の838億73百万円、浴槽・洗面部門は6.2%減の168億60百万円だった。利益面では、減収に伴う売上総利益の減少を原価低減の効果や販管費の伸び抑制などでカバーできず大幅減益だった。売上総利益率は33.0%で0.5ポイント上昇、販管費比率は32.6%で1.8ポイント上昇した。
19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.4%増の1110億円、営業利益が2.5倍の10億円、経常利益が2.3倍の9億50百万円、純利益が8.1倍の4億円としている。
18年2月発売システムキッチン「セントロ」や、17年9月発売システムバスルーム「ユアシス」などを中心に売上拡大を図り、全社的なコスト削減も推進して大幅増益予想である。収益改善を期待したい。
18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。19年3月期の配当予想は17年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は183.0%となる。
■株価はレンジ上放れ期待
株価は3月の直近安値771円から切り返している。大勢800円~900円近辺のモミ合いレンジ下限から反発し、レンジ上限に接近した形だ。
5月8日の終値891円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS10円93銭で算出)は約82倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1430円36銭で算出)は約0.6倍である。時価総額は約334億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。また13週移動平均線が上向きに転じた。低PBRも見直してレンジ上放れの展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)