【業績でみる株価】ナイスクラップ黒字転換、今期50%台増益

(写真=one after another NICE CLAUP ホームページ)

 ナイスクラップ<7598>(JQS・売買単位100株)は、前期、3期ぶりに黒字転換したのに続き今期、大幅増益を確保する見込みである。業績の高変化を材料に本格反騰に転じる可能性が出てきた。

 婦人服の主力ブランド「one after another NICE CLAUP」の不振、不採算店の影響で2013年1月期、2014年1月期と連続して赤字決算を余儀なくされた。しかし、この赤字決算は終わり、2015年1月期から黒字転換し、今後、本格的な成長路線に復帰する公算が大きい。

同社は婦人服の企画販売を主力事業としており、とくに20歳台の女性向けカジュアルが中心だ。また、雑貨販売も手掛けている。主力ブランドの「one after another NICE CLAUP」は前期30億3800万円(前々期比15.6%減)と売上高を減らした。しかし、これに対して「OUTLET」が25億2800万円(同5.4%増)、「ouvrage classe」が3億9700万円(同37.2%増)、「every very niceclaup」が1億4600万円(同2.2倍)に増加。また、「pual ce cin」が16億2700万円(0.9%増)と堅調に推移した。

前期(15年1月期)の売上高は主力ブランドの減少をカバーしきれずに、92億3200万円(前々期比4.7%減)と減収となったものの、営業利益は原価の見直し効果の表面化、商品生産数量の適正化で粗利益率が3.3ポイントも改善したことから9100万円(前々期3億6500万円の赤字)、経常利益は9200万円(同3億4400万円の赤字)となった。最終損益は2000万円の赤字(同5億3900万円の赤字)と赤字幅は急速に縮小した。

続く2016年1月期は「OUTLET」や「ouvrage classe」の伸長に加えて、不採算店の閉鎖効果により売上高96億2600万円(前期比4.3%増)、営業利益1億5300万円(同66.5%増)、経常利益1億5500万円(同68.5%増)、当期純利益5500万円を確保する見込みである。予想一株当たり利益は6円71銭、配当は年5円を実施する意向である。

このように業績は本格的な立ち直りを見せており、この勢いは続きそうである。今期の一株当たり利益で計算したPERは55.9倍と高い。しかし、一株当たり純資産624円40銭に基づいたPBRはわずか0.6倍に過ぎない。配当利回りは1.3%。こうした点を考えると時価近辺は買い妙味十分と判断できそうだ。

3月11日に408円高値を示現した後、目先の利食い売りで370円前後に下げた。この下げは投資チャンスだろう。

しかし、3月10日に発表しているように、<a href=”http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=2726.T&d=6m” target=”_blank”>パル<2726>(東1)</a>がナイスクラップを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議したことで、同社の株式は、今年の5月27日に上場廃止となる。

 

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