立花エレテックの18年3月期は、世界的な半導体業界の好調を受け2ケタ増収増益で着地

■海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進

 電機、電子・情報機器の技術商社である立花エレテック<8159>(東1)の18年3月期は、世界的な半導体業界の好調を受け2ケタ増収増益で着地した。

 同社は、技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。

 その様な状況の中で、18年3月期は、技術商社としての総合力でAI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)時代に対応するため、産業用ロボットを活用したシステムソリューションへの注力やエンベデッド等IoT関連の品揃えの充実を図っている。これらの取り組みを通し、ロボットを含む製造ラインや設備機械を機能的に連動させる「M2M(機械間通信)システム技術」に強い技術商社を目指している。

 18年3月期の連結業績は、世界的な半導体業界の好調を受け、半導体デバイス事業が大幅に伸長するとともに、半導体・液晶製造装置関連並びに自動車関連の積極的な設備投資需要を背景に、FAシステム事業も好調に推移したことから、売上高1783億24百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益63億95百万円(同23.6%増)、経常利益66億05百万円(同23.7%増)、純利益45億39百万円(同16.6%増)となった。

 好業績であったこともあり、年間配当は40円(16円、24円)と12円の増配となった。


 今期19年3月期については、国内市場は企業収益や雇用・所得環境の改善が続いており、設備投資や個人消費も持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移するものと思われが、海外市場は米国政権の政策動向、アジアにおける経済動向や地政学リスクなど、海外の政治・経済の不確実性の高まりに伴う景気の下振れ懸念があり、先行きは不透明な状況が続くと見ている。

 そのような状況の中で、同社としては、これまで取り組んできた7つの基本戦略を更に推進させながら成果を追い求め、成長を加速させることで、売上高1820億円(前期比2.1%増)、営業利益64億50百万円(同0.9%増)、経常利益67億円(同1.4%増)、純利益46億円(同1.3%増)を見込んでいる。

 なお配当については、年間配当44円と4円の増配を予想している。

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