エイジアの18年3月期業績は製品開発、クラウドサービスの強化に努めたことで、2ケタ増収増益と最高益更新を達成
- 2018/5/11 08:16
- 決算発表記事情報
■クラウドサービスの売上高は8億62百万円(前年同期比12.1%増)と順調に伸びる
メール配信システムの大手であるエイジア<2352>(東1)の18年3月期業績は、製品開発、クラウドサービスの強化に努めたことで、2ケタ増収増益と最高益更新を達成した。
同社のWEBCASシリーズを導入している企業は4000社を突破し年々業績は拡大している。また、中期成長に向けてAI(人工知能)を活用した新サービス開発も推進している。
そのような状況の中で、“メールアプリケーションソフトのエイジア”から、“eコマースの売上upソリューションを世界に提供するエイジア”へ事業領域を拡大し、売上・利益の拡大を図っている。
18年3月期は、「WEBCASシリーズ」の中で4製品のメジャーバージョンアップを目標に取り組み、うち3製品は計画通り開発が進んだが「WEBCAS Auto Relations」のメジャーバージョンアップに関しては、開発途中に新たな仕様を追加したために開発完了時期を延伸した。
また、AIのマーケティング活用に関する実証実験を既存大手顧客3社と取り組むプロジェクトを進行した。最初に取り組んだ顧客との実証実験では配信時間の最適化を目的としたAIの活用に取り組んだ結果、配信時間を最適化することの効果が確認でき、AIアルゴリズム自体の改善を更に推し進め、現在2社目との実証実験準備に着手している状況。
クラウドサービス(ASP・SaaS)については、事業領域の拡大に伴い発生するリスクに耐えうる収益力を確保するために、アプリケーション事業では、利益率と売上継続性(ストック性)の高いクラウドサービスの販売を強化した。また、同社が出資しているナレッジスイートが18年12月にマザーズ市場に上場した。その結果、クラウドサービスの売上高は、8億62百万円(前年同期比12.1%増)と順調に伸びた。
以上の取組を行ったことで、18年3月期連結業績は、売上高15億23百万円(同14.5%増)、営業利益3億48百万円(同21.3%増)、経常利益3億61百万円(同24.0%増)、純利益2億36百万円(同33.6%増)と最高益更新で着地した。
なお配当については、期末18円(普通配当15円50銭、記念配当2円50銭)であった。17年4月1日に1対2の株式分割を実施している。もし実施していなかったとするなら、配当36円(前年25円)となるので11円の増配となる。
セグメント別の業績は、アプリケーション事業の売上高は12億28百万円(同9.2%増)、売上高総利益率71.8%(同+0.4ポイント)。
コンサルティング事業の売上高は2億72百万円(同49.2%増)、売上高総利益率19.4%(同+1.8ポイント)と大幅増収。
オーダーメイド開発事業については、社内エンジニアリソースをアプリケーション事業に集中させたため、売上高21百万円(同3.6%減)、売上高総利益率39.2%(同△20.6ポイント)となった。
今期19年3月期連結業績予想は、売上高17億円(前期比11.6%増)、営業利益4億20百万円(同20.6%増)、経常利益4億20百万円(同16.0%増)、純利益2億75百万円(同16.4%増)と増収増益を見込む。
好業績が見込めることから、配当については2円増配の20円を予想している。