フォーカスシステムズの18年3月期は、受注判定会議を厳格化したことが奏功し、増収大幅増益で着地
- 2018/5/13 10:26
- 決算発表記事情報
■配当は3円50銭増配の16円
フォーカスシステムズ<4662>(東1)の18年3月期は、受注判定会議を厳格化したことが奏功し、増収大幅増益で着地した。
同社が属する情報サービス業界においては、人材不足という状況が続いているが、リーダー層の育成強化や受発注判定の厳格化によりプロジェクトマネジメントを徹底することで、個々のプロジェクトの売上、利益共に増加した。
18年3月期連結業績は、売上高193億27百万円(前年同期比8.3%増)、営業利益10億25百万円(同37.9%増)、経常利益10億19百万円(同39.4%増)、純利益7億19百万円(同30.4%増)と売上高、営業利益、経常利益は共に過去最高を達成した。
好業績であったこともあり、配当については、3円50銭増配の16円となった。
事業別の業績は、公共関連事業は、17年3月期に発生したプロジェクトの進捗遅れによる収益悪化の反省から、再発防止を徹底し、受注判定会議を厳格化したことが奏功し、利益率が大幅に改善した。その結果、売上高61億50百万円(同0.7%減)、セグメント利益(営業利益)10億03 百万円(同45.2%増)と減収ながら大幅増益となった。
民間関連事業は、業界全体の課題でもある人材確保の厳しい状況であるため、外注費の増加が続いているが、主要取引先からのインフラ構築・運用サービスが順調に伸び、売上高・利益ともに増加しました。大阪・名古屋を拠点とした地方についても、順調に案件を確保した。その結果、売上高119億99百万円(同14.8%増)、セグメント利益(営業利益)12億18百万円(前年同期比4.7%増)であった。
セキュリティ機器関連事業は、主にデジタルフォレンジック分野において、サイバー攻撃に対する事後対応の一環として、組織内にコンピュータ緊急対応チームを立ち上げる組織が急増している背景もあり、民間企業向けの売上が増加したことや、官公庁向けのサイバーセキュリティ製品の大型受注があったこと、官公庁からの収益性が高いトレーニングの受注が増加したことにより、大幅な増益となった。 その結果、売上高11億78百万円(同1.4%減)、セグメント利益(営業利益)、2億67百 万円(同23.8%増)と減収ながら大幅増益。
今期19年3月期については、より優秀な人材確保への採用投資、現社員向けにより高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)をつけるための教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資を引き続き行い、 新商品・新サービスの開発や、M&A及び資本・業務提携など、業容拡大への布石を打ち、取り組んでいく計画。
19年3月期連結業績予想は、売上高200億円(前期比3.5%増)、営業利益10億80百万円(同5.3%増)、経常利益10億60百万円(同4.0%増)、純利益7億円(同2.7%増)を見込む。