PALTEKは調整一巡して基調転換、18年12月期減益予想だが売上高と営業利益を増額

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 PALTEK<7587>(東2)は、ザイリンクス社のFPGAを主力とする半導体輸入商社である。18年12月期第1四半期は為替の円高影響などで大幅減益だった。通期もFPGAの一部取引形態変更の影響などで大幅減益予想だが、売上高と営業利益を増額した。株価は調整一巡して基調転換の動きを強めている。

■FPGAなどの半導体事業が主力

 ザイリンクス社のFPGA(PLDの一種で設計者が手元で変更を行いながら論理回路をプログラミングできるLSI)を主力として特定用途IC、汎用IC、アナログ、メモリなどを扱う半導体事業、および試作ボードや量産ボードなどを受託設計・開発・製造(ODM、EMS、OEM)するデザインサービス事業、新規分野としてスマートエネルギー事業(病院・介護施設向け停電対策システム)を展開している。海外は香港に拠点展開している。

 17年12月期売上構成比は半導体事業94.5%(FPGA35.3%、特定用途IC16.5%、汎用IC10.3%、アナログ9.7%、メモリ22.7%)、デザインサービス事業4.9%、その他0.6%だった。18年12月期からセグメント区分を半導体事業、デザインサービス事業、ソリューション事業とする。

 主要仕入先は、FPGAがザイリンクス社、汎用ICがNXPセミコンダクターズ社、マイクロチップテクノロジー社、アナログがリニアテクノロジー社、メモリがマイクロンテクノロジー社である。用途別には産業機器向けを主力としてFA機器、通信機器、放送機器、医療機器、車載機器向けなどに展開し、センサ分野ソリューションも強化している。主要販売先はNEC<6701>、京セラ<6971>、オリンパス<7733>などである。
 
 なお18年1月からザイリンクス社製品販売における取引形態を変更した。一部の主要大手顧客への販売活動のうち、販売・物流オペレーション業務のみを当社が担当し、それ以外のFPGA活用ニーズの調査・案件発掘・案件獲得・技術サポートに関する業務はザイリンクス社が担当する。主要大手顧客以外の顧客については従来どおり当社が全ての販売業務を担当する。

■M&A・アライアンスも活用して事業領域拡大

 M&A・アライアンスも活用して事業領域を拡大している。17年3月ソラコムおよびIoTクラウドプラットフォームのUPRと連携してインダストリアルIoTソリューションパッケージの販売を開始、17年8月TPMS・車両向けセンサーネットワークのLDLテクノロジーと販売代理店契約締結、18年2月コーデンシと販売協力体制構築してサーモバイルセンサや照度センサモジュールの提供を開始した。

 18年4月には、無線に特化した組み込み用途アナログ・デジタル基板およびワイヤレスモジュール開発のウィビコムを子会社化した。受託開発ビジネスを強化する。

■仕入値引きドル建て債権評価額が為替によって変動する収益特性

 一部の主要仕入先に対して保有する仕入値引きドル建て債権評価額が為替によって変動し、売上総利益の増減に影響を与える収益特性がある。ドル高・円安は売上総利益押し上げ要因、ドル安・円高は売上総利益押し下げ要因となる。為替影響は15年12月期が4億31百万円の売上総利益増加要因、16年12月期が5億30百万円の売上総利益減少要因、17年12月期が22百万円の売上総利益増加要因だった。

■18年12月期1Qは大幅減益、通期も大幅減益予想だが営業利益増額

 18年12月期連結業績予想は5月8日に売上高と営業利益を増額修正し、売上高が17年12月期比5.1%減の314億円、営業利益が46.0%減の5億60百万円、経常利益が63.1%減の4億円、純利益が61.6%減の2億70百万円とした。

 FPGAの一部取引形態変更による影響(売上総利益5億円程度減少を想定)などで大幅減益予想だが、半導体事業においてFPGAおよびメモリ製品の売上が期初計画を上回り、売上総利益も期初計画を上回る見込みだ。売上総利益率は期初計画より低下するが、販管費が期初計画より減少することも寄与する。配当予想は3円減配の年間10円(期末一括)で予想配当性向は40.6%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.0%増の87億41百万円、営業利益が41.9%減の2億09百万円、経常利益が69.4%減の1億34百万円、純利益が73.3%減の79百万円だった。半導体事業がFPGA、汎用IC、メモリの好調で13.8%増収と牽引し、全体も2桁増収だが、為替の円高影響やFPGAの一部取引形態変更の影響で大幅減益だった。

 売上総利益率は11.2%で3.7ポイント低下した。仕入値引きドル建て債権評価額が売上総利益1億48百万円減少要因(前年同期は1億02百万円増加要因)だった。為替影響除く実力ベースの売上総利益率は12.9%で0.7ポイント低下した。FPGAの一部取引形態変更によって一部大手顧客向けの利益率が低下し、利益率の低い民生機器向け案件の売上増加も影響した。販管費比率は8.8%で1.4ポイント低下した。営業外では為替差益1億円(前年同期は為替差損29百万円)を計上した。

 18年12月期は減益予想だが、FPGAに対応していたリソースをデザインサービス事業やソリューション事業といった収益性の高い事業に振り向けて、中期計画の目標値20年12月期売上高400億円、営業利益20億円の達成を目指すとしている。

■中期成長に向けて高付加価値製品を拡大

 中期的な収益向上に向けた取り組みとして、半導体事業では高付加価値製品の取り扱い拡大、中核製品であるFPGAのさらなる拡販、第2の柱となる製品の売上拡大(センサー関連やIoT関連製品の拡充など)、医療・産業・通信・放送など成長分野への注力、デザインサービス事業では医療・放送・通信分野の受託設計・開発・ODM強化、自社製品の開発・販売強化、スマートエネルギー事業では病院・介護施設向け停電対策システムの構築・販売を強化する方針だ。

 中核製品のFPGAは論理回路構成を自由に書き換えられるため、世界的なトレンドとしてプロセッサーを内蔵したFPGAをメインチップとする傾向を強めている。そして自動車の先進運転支援システム(ADAS)分野やIoT関連などを中心として市場拡大が予想されている。

 センサ関連に関しては、赤外線カメラのグローバルリーディングカンパニーである米フリアーシステムズ社の赤外線カメラモジュールを、産業機器(検査機器、防災機器、産業向け携帯情報端末)やセキュリティ用監視カメラ向けに拡販する方針だ。

■株主優待制度は12月末に実施

 株主優待制度は毎年12月31日現在100株以上保有株主を対象として、保有株式数と継続保有期間に応じてクオカードを贈呈(詳細は会社HPを参照)する。

■株価は調整一巡して切り返しの動き

 株価は直近安値圏630円~640円近辺で調整一巡して切り返しの動きを強めている。5月9日には726円まで上伸する場面があった。18年12月期減益予想の織り込みは完了しているだろう。

 5月11日の終値695円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS24円65銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS867円35銭で算出)は約0.8倍である。時価総額は約82億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線を突破した。基調転換して出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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