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フォーカスシステムズはモミ合い煮詰まり感、19年3月期も営業増益予想
- 2018/5/15 06:41
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。受注が好調で18年3月期大幅増益だった。そして19年3月期も営業増益予想である。株価はモミ合い展開だが煮詰まり感を強めている。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。18年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。
顧客別には、NTTデータ<9613>関連および日本IBM関連を主力として、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)<4739>関連、ITホールディングス関連、沖電気<6703>関連、ソフトバンク<9984>関連などが続いている。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
18年1月には、指向性アンテナ機構を搭載したBLE送信機(ビーコン)と受信機の開発を目的として、名古屋工業大学とBluetoothで利用可能な指向性アンテナ機構の共同研究を開始した。また18年2月には、小型・軽量で防塵・防水認証を受けたBLEビーコン「timbe」の販売を開始した。
■18年3月期大幅増益、19年3月期も営業増益予想
18年3月期の非連結業績は売上高が17年3月期比8.3%増の193億27百万円、営業利益が37.9%増の10億25百万円、経常利益が39.4%増の10億19百万円、純利益が30.4%増の7億19百万円だった。
3月5日の増額修正値を上回る大幅増益で着地した。受注が好調に推移し、公共関連事業における徹底したプロジェクト管理と生産性向上、セキュリティ機器関連事業における官公庁向けサイバーセキュリティ製品の大型受注なども寄与した。売上総利益率は12.9%で1.3ポイント上昇、販管費比率は7.6%で0.2ポイント上昇した。
セグメント別には、公共関連事業は0.7%減収だが45.2%増益、民間関連事業は14.8%増収で4.7%増益、セキュリティ機器関連事業は1.4%減収だが23.8%増益だった。
19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.5%増の200億円、営業利益が5.3%増の10億80百万円、経常利益が4.0%増の10億60百万円、純利益が2.7%減の7億円としている。需要が高水準に推移して営業増益予想である。
18年3月期の配当は17年3月期比3円50銭増配の年間16円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期比1円減配の年間15円(期末一括)とした。予想配当性向は32.2%となる。
■株主優待制度は3月末に実施
株主優待制度は、毎年3月末現在2単元(200株)以上保有株主を対象として保有株式数に応じたポイントを贈呈する。そのポイントを株主限定の特設ウェブサイト「フォーカスシステムズ・プレミアム優待倶楽部」において、約700種類の商品の中から選んで交換できる。ポイントは次年度へ繰り越す(最大2年間有効)ことができる。
■株価はモミ合い煮詰まり感
17年11月28日発表した第三者割当(大和証券)による行使価額修正条項付第1回および第2回新株予約権(潜在株式数第1回120万株、第2回100万株)について、3月16日時点で第1回新株予約権の行使が完了した。
株価は900円台でモミ合う展開が続いているが、煮詰まり感を強めている。5月14日の終値933円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS46円52銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績BPS611円34銭で算出)は約1.5倍である。時価総額は約152億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を挟んでもモミ合う展開だが、煮詰まり感を強めている。上放れを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)