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サンコーテクノは調整一巡感、19年3月期増収増益・連続増配予想
- 2018/5/17 06:39
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
サンコーテクノ<3435>(東2)は建設用あと施工アンカーの最大手で、センサー関連商材の測定器も展開している。需要回復基調で18年3月期は増収増益だった。19年3月期も増収増益、そして連続増配予想である。株価は4月の高値圏から急反落したが調整一巡感を強めている。
■ファスニング事業と機能材事業を展開
ファスニング事業(あと施工アンカーやドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理など)と、機能材事業(電動油圧工具関連、FRPシート関連、車両の表示板などの電子プリント基板関連、各種測定器関連の製造・販売など)を展開している。
18年3月期のセグメント別売上高構成比はファスニング事業が79%、機能材事業が21%だった。収益面では建設関連のため期後半の構成比が高い特性がある。
ファスニング事業では、あと施工アンカー(コンクリート用特殊ネジ・釘類)やドリルビットの開発・製造・販売、太陽光関連・土木建築関連の工事管理などを展開している。あと施工アンカーの最大手である。新製品開発・市場投入を推進し、売上高に対する新製品比率は14年3月期16.0%、15年3月期17.0%、16年3月期18.2%、17年3月期19.4%と上昇基調である。
新中期経営ビジョンでは、経営目標数値に売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上、新製品売上高構成比30%、ROA8.0%以上を掲げている。
建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込機、紫外線硬化FRPシートといった製品の需要増が期待される。20年東京五輪、都市再開発、国土強靭化政策などで中期的に事業環境は良好である。
■18年3月期増収増益・増配、19年3月期も増収増益・連続増配予想
18年3月期連結業績は、売上高が17年3月期比5.3%増の163億26百万円、営業利益が3.1%増の11億59百万円、経常利益が3.8%増の11億62百万円、純利益が0.7%増の7億96百万円だった。
需要が回復基調で、営業強化などの施策も寄与して小幅ながら増収増益だった。売上総利益率は30.8%で1.3ポイント低下、販管費比率は23.7%で1.1ポイント低下した。
ファスニング事業は売上高が8.5%増の128億65百万円で営業利益が8.3%増の16億74百万円だった。金属系あと施工アンカーが堅調に推移した。耐震工事減少で低迷していた接着系あと施工アンカーの需要が底入れし、土木関連を中心に完成工事高が大幅増加したことも寄与した。機能材事業は売上高が4.9%減の34億60百万円で営業利益が7.3%減の4億12百万円だった。アルコール測定器、電子基板関連が好調だったが、国内の電動油圧工具関連などが低調だった。
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比2.9%増の168億円、営業利益が3.5%増の12億円、経常利益が4.1%増の12億10百万円、純利益が4.8%増の8億35百万円としている。ファスニング事業が牽引して小幅ながら増収増益予想である。好業績を期待したい。
18年3月期の配当は17年3月期比2円増配の年間22円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期比2円増配の年間24円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は23.4%となる。
■株主優待制度は毎年3月末に実施
株主優待制度は毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、QUOカード500円分を贈呈している。
■株価は調整一巡感
株価は4月高値1496円から急反落したが、1200円台で調整一巡感を強めている。
5月16日の終値1268円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS102円43銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1393円19銭で算出)は約0.9倍である。時価総額は約111億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、下ヒゲで調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)