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テクマトリックスは急伸して1月高値に接近、19年3月期も増益・増配予想
- 2018/5/21 06:23
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は、システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などの情報サービス事業を展開している。18年3月期はセキュリティ関連が好調に推移して大幅増益・増配だった。そして19年3月期も増益・増配予想である。株価は急伸して1月高値に接近している。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。
■セキュリティ関連やクラウドサービスなどを展開
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、および医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fast」シリーズや、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。
18年3月期のセグメント別売上高構成比は情報基盤事業67%、アプリケーション・サービス事業33%、営業利益構成比は情報基盤事業82%、アプリケーション・サービス事業18%だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■中期的に売上高営業利益率10%目標
中期成長戦略として、情報基盤事業ではクラウド時代に対応した独自開発の次世代ネットワーク・セキュリティ関連商材・サービスの拡充、アプリケーション・サービス事業では医療・CRM・インターネットサービスの各分野におけるクラウドサービスの加速度的拡充を推進している。
中期的な目標値としては、年率売上高成長率10%、M&Aや海外展開を含めて事業規模250億円~300億円、ストック売上(クラウド、保守、運用・監視サービス等)比率50%超、売上高営業利益率10%へ挑戦する。
17年12月にはメディカル・データ・ビジョン<3902>と業務提携し、医療情報クラウドサービス「NOBORI」とメディカル・データ・ビジョンのWEBサービス「カルテコ」を連携した。18年2月にはLINE<3938>が提供する各種法人向けサービスの「Technology Partner」に認定された。
18年4月には100%子会社としてNOBORIを設立し、医療システム事業を承継した。またNOBORIが行う第三者割当増資を三井物産<8031>が引き受けた。三井物産と共同で事業展開する。
■18年3月期大幅増益・増配、19年3月期も増益・増配予想
18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比6.9%増の235億12百万円、営業利益が15.8%増の19億02百万円、経常利益が26.3%増の20億54百万円、純利益が28.4%増の13億08百万円だった。セキュリティ関連の好調などで大幅増益だった。売上高と営業利益は過去最高だった。売上総利益率は34.4%で0.1ポイント上昇、販管費比率は26.3%で0.5ポイント低下した。営業外収益では投資事業組合運用益を計上した。
情報基盤事業は売上高が7.4%増の158億39百万円で営業利益が13.5%増の15億53百万円だった。セキュリティ関連が好調に推移した。アプリケーション・サービス事業は売上高が5.9%増の76億72百万円で営業利益が27.1%増の3億49百万円だった。インターネットサービス分野が既存顧客向け大型案件の一部不採算化や受注遅れ、CRM分野が特定顧客向け不採算大型案件の影響を受けたが、医療分野における医療情報クラウドサービス「NOBORI」の好調な引き合いが継続し、第4四半期には大型案件を受注した。また合同会社医知悟の遠隔読影プラットフォーム「医知悟」の契約施設数、読影依頼件数、従量課金金額も順調に増加した。
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比4.2%増の245億円、営業利益が15.6%増の22億円、経常利益が5.6%増の21億70百万円、純利益が6.3%増の13億90百万円としている。情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業とも伸長して増収増益予想である。なお売上高の計画は情報基盤事業が163億円、アプリケーション・サービス事業が82憶円としている。
18年3月期の配当は17年3月期比5円増配の年間20円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期比3円増配の年間23円(期末一括)で、予想配当性向は28.7%となる。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。5月16日には18年9月末の優待内容を発表している。
■株価は急伸して1月高値に接近
株価は18年3月期配当増額修正を好感して4月安値1514円から反発し、さらに19年3月期増益・増配予想を好感して急伸している。そして5月15日と17日には2209円まで上伸して1月の上場来高値2253円に接近している。
5月18日の終値2177円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS80円02銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS339円40銭で算出)は約6.4倍である。時価総額は約539億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線を一気に突破した。そして13週移動平均線が上向きに転じた。目先的な過熱感を冷ますための自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)