KeyHolderは急反発、アミューズ施設運営から撤退して新たな収益柱の構築を目指す

 KeyHolder<4712>(JQ)は、総合エンターテインメント事業のアミューズメント施設運営領域から撤退し、M&Aを活用して開始する総合エンターテインメント事業のライブ・エンターテインメント部門など、新たな収益柱の構築を目指している。株価は急反発の動きだ。

■アミューズメント施設運営から撤退して新たな柱の構築を目指す

 Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更した。

 17年3月アミューズメント景品企画・製造・販売の子会社ブレイクをフォーサイド<2330>に譲渡、18年3月アミューズメント施設運営の子会社アドアーズをワイドレジャーに譲渡し、アミューズメント施設運営領域から撤退した。

 19年3月期からは、総合エンターテインメント事業(新たに開始するライブ・エンターテインメント部門)の基盤強化、既存の不動産事業(不動産分譲部門、不動産賃貸部門、店舗サブリース部門)および商業施設建築事業の拡大など、M&Aも活用して新たな収益柱の構築を目指す。

 18年2月には、三越伊勢丹プロパティ・デザインと定期建物賃貸借契約締結に関する覚書締結、ライブ・エンターテインメント部門の開始、広告・プロモーション企画等を行うallfuz(オルファス)社との業務提携に関する基本合意書締結を発表した。ライブ・エンターテインメント部門のライブ・イベントスペースとして、三越伊勢丹・新宿アルタ店(1階および7~8階)を新たな情報発信空間として活用する。オルファス社とはアーティスト・タレントのキャスティング業務等での業務提携を協議する。

 18年4月には、ライブ・エンターテインメント部門で新宿アルタ店を活用したライブ・イベントスペース開設・運営を行う子会社KeyStudioを設立、BIGFACE社から譲り受けるテレビ制作事業を行う子会社KeyProductionを設立した。テレビ制作事業譲受は18年7月の予定である。

■18年3月期は関係会社株式売却益計上、19年3月期営業増益予想

 18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月期比12.7%減の195億23百万円、営業利益が71.3%減の2億28百万円、経常利益が79.2%減の1億42百万円、純利益が5.7倍の12億03百万円だった。

 総合エンターテインメント事業(アミューズ施設運営部門)の軟調推移で減収、営業減益、経常減益だったが、純利益は特別利益に関係会社(アドアーズ)株式売却益14億23百万円を計上して大幅増益だった。

 19年3月期の連結業績予想(IFRSに移行)は、売上収益が100億円、営業利益が3億円、純利益が1億円としている。営業増益予想である。

 総合エンターテインメント事業で新たに開始するライブ・エンターテインメント部門(KeyStudio、KeyProduction)の基盤強化、既存の不動産事業(不動産分譲部門、不動産賃貸部門、店舗サブリース部門)および商業施設建築事業の拡大を推進する。

 18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間1円(期末一括)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間1円(期末一括)で、予想配当性向は139.2%となる。

 株主優待制度は、18年3月期末から対象株主を2000株(20単元)以上保有株主に変更した。

■株価は急反発の動き

 株価は4月の直近安値103円から切り返し、さらに110円近辺でのモミ合いから上放れて5月22日には130円まで上伸した。急反発の動きだ。

 5月22日の終値130円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS72銭で算出)は約181倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS77円34銭で算出)は約1.7倍である。時価総額は約181億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る