【編集長の視点】綿半HDは続落も連続の過去最高業績見直しに新店舗開店先取りがオンして逆張り一考余地
- 2018/5/25 08:09
- 編集長の視点
綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日24日に110円安の3565円と変わらずを挟んで3日続落して引けた。前日に日経平均株価が、米トランプ政権による輸入自動車への高関税検討や、円高進行が響き約2カ月ぶりに3日続落したことから、同社株にも持ち高調整の売り物が増勢となった。ただ株価水準は、年初来安値目前まで下げており、米政権の強硬政策や為替相場の圏外に位置する内需株として逆張りも一考余地がありそうだ。その場合、手掛かりとしては、同社の今2019年3月期業績が、4期連続の過去最高更新と予想されていることが見直され、さらに今年7月11日に「綿半スーパーセンター富士河口湖店」が、リニューアル・オープンされることが業績期待を高めて先取りされよう。テクニカル的にも、3日続落で25日移動平均線から約7%の下方かい離と売られ過ぎを示唆し、今年2月につけた上場来高値4875円からの値幅・日柄調整に一巡感を強めている。
■スーパーセンターへの店舗リニューアル効果に「EDLP/EDLC戦略」が上乗せ
同社の今2019年3月期業績は、売り上げ1028億1000万円(前期比0.4%増)、営業利益24億4100万円(同4.1%増)、経常利益24億400万円(同4.1%増)、純利益15億3600万円(同3.6%増)と予想され、4期連続で過去最高を更新する。スーパーセンター事業は、昨年12月末に老朽化した三鷹店を閉店した影響が続き売り上げが前期比3.1%減となるが、既存のホームセンターを食品・ガーデンングも扱うスーパーセンターにリニューアルする構造改革や、低価格で商品を提供する同社独自の「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略」、グループ共同仕入れ、物流拠点統合による原価低減を図る「EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略」の継続推進でセグメント利益が同18.8%増と2ケタの連続増益となり、建設事業、貿易事業も増収増益と続伸することなどが要因となる。
この店舗政策では、今年7月11日にはホームセンターの「綿半Jマート富士河口湖店」を生鮮食品やインテリア・園芸用品も販売する「綿半スーパーセンター富士河口湖店」にリニューアルしてオープンする予定である。また、同社は、前期に中期経営計画の目標とした売り上げ1000億円、経常利益25億円を1年前倒しで達成し、次の中期経営計画を今期1年間、検討し策定する方針であり、この店舗展開などの諸施策、業績目標数値も要注目となる。
なお同社は、連続の最高業績更新とともに株主還元策にも積極的で、前期は、創業420周年記念配当5円に普通配当1円も増配して年間32円(前々期実績26円)へ大幅増配したが、今期は普通配当として年間32円を予定、普通配当は、5円の連続増配となる。
■下値抵抗力の強い3500円台下位から値幅・日柄調整の一巡感を強め底上げに再発進
株価は、年初来安値3520円から今年1月末の創業420周年の記念増配発表がサプライズとなって上場来高値4875円まで38%高し、世界同時株安の波及で一時3560円安値へ突っ込んだが、今年3月の期末の配当・優待制度の権利取りで4310円へ買い直されるなど3500円台下位で下値抵抗力の強さを示した。権利落ち後は、いったん4400円高値までリバウンドして25日移動平均線水準を出没する動きを続けたが、全般相場続落とともに年初来安値目前まで下落した。下値抵抗力を発揮した株価水準で、25日線から約7%のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆し、年初来高値から日柄調整一巡のメドとなる4カ月目に差し掛かっており、内需株買いの再燃から1月相場、3月相場の再現期待を高めて底上げに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)