【中期計画と株価】ジャパンフーズは今期の経常利益10.5%増加を計画し3円増配の見込み

中期経営計画と株価

■中期経営計画の最終年度、最新ラインの波動が本格化し次のステージを目指す

 飲料受託生産の国内最大手、ジャパンフーズ<2599>(東1)では、2018年年度(19年3月期)までの3年間を対象とする中期経営計画「JUMP+2018:躍動」が順調に進んでいる。新設したペットボトルブロー成型機、および炭酸常温充填ラインなど(社内呼称Fライン)が18年2月に本格稼働し、中期計画の達成とそれ以降の展開に大きく寄与してくる見通しだ。

 同社では、国内の飲料製造事業を「コアセグメント」とし、海外事業や水の宅配事業などを「新規セグメント」としている。

 中期計画2年目となった18年3月期は、コアセグメントの国内飲料製造事業が梅雨の時期の天候不順などの影響が第3四半期に現われ、第4四半期で挽回しきれなかったが、新規セグメントでは、中国合弁事業である東洋飲料(常熟)有限公司(清涼飲料受託製造事業)が経常黒字を達成し、国内の水宅配事業も(ウォーターネット社)の黒字化が定着し、全体に好調だった。連結売上高は148.51億円(この期から連結決算を開始したため前期比較なし)となり、経常利益は9.59億円(同)、純利益は6.58億円(同)となった。

 続く今期・19年3月期は、中期経営計画の最終年度として、次のステージを目指し、蓄積された経営資源を最大限に活用し、持続的成長(100年企業)を目指す。4つのキーワード(「戦略的パートナーシップ」や「イノベーション」など)と2つの成長戦略(「コアビジネスの収益拡大」「新規ビジネスの着実な推進」)を掲げており、コアビジネスでは名実ともに日本一のパッカーを不動のものとし、新規ビジネスでは、国内外で新たなビジネスの創出に取り組むなど、もうひとつの経営基盤の構築などを推進する。

 今期・19年3月期の連結業績見通しは、売上高が162.0億円(前期比9.1%増加)、経常利益は10.6億円(同10.5%増加)、純利益は7.3億円(同10.9%増加)、1株利益は151円36銭。グループ全体として次のステージを目指し、先行布石としての投資も増やしていく。

 配当は、中間配当10円(前年同期と同額)、期末配当20円(前年同期から3円増額)の見込みとした。

 株価は、全体相場が大きく調整した18年2月以降も底堅く、何度も1400円台前半で下げ止まっては反騰している。今期予想1株利益が151円もあるため、株価には割安感がある。テクニカル的には、2月以降、値動きの幅が徐々に煮詰まる「ペナントフラッグ」型になっており、経験則的には新たな相場が始まる前兆になるケースが少なくないとされる。(HC)

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