【編集長の視点】スノーピークはもみ合いもV字回復業績を見直し直近IPO株人気再燃で値幅効果期待

編集長の視点

 スノーピーク<7816>(東マ)は、600円高の1万1000円と3日ぶりに反発して始まり、410円安と下ぶれるなど前日終値を挟んでもみ合っている。今年3月13日につけた上場来高値1万3700円を前に利益確定売りも交錯しているが、下値には今12月期利益が2ケタ増益とV字回復が予想されていることを見直し、直近IPO(新規株式公開)株人気が底流し値幅取り期待の買い物も続いている。きょう18日に任天堂<7974>(東1)が、業務・資本提携をハヤしストップ高買い気配と急続伸し、このところ東証第1部で1万円台にある超値がさ株が高人気となっていることも、スノーピークが、今年3月に入り4日連続のストップ高を含めて合計5日間のストップ高を演じた急騰習性の再燃思惑も強めている。

■前期業績は上方修正着地し今期純利益は97%増益予想

同社の業績は、今年2月に昨年12月11日のIPO時予想の前2014年12月期業績を上方修正し、減益転換率を縮小させた。国内や台湾市場でオートキャンプ用品の販売が好調に推移し、為替相場が想定より円安となり在外子会社、在外支店の売り上げが伸び為替差益を計上したことが要因となった。ただ前々期にあった為替予約の評価益が一巡し経常利益2億7200万円(前々期比5.7%減)、純利益1億1600万円(同34.3%減)と減益転換した。

これに対して今12月期業績は、売り上げが64億8000万円(前期比16.6%増)と連続の2ケタ増収となり、経常利益が4億3200万円(同58.8%増)、純利益が2億2900万円(同97.1%増)とそれぞれV字回復を見込んでいる。同社は、自社開発した高機能で高価格帯のオートキャンプ用品や登山用品を新しいアウトドアライフスタイルとして提案し、自社直営店舗の自社スタッフやスノーピークマスターとして認定したディーラー販売員により販売しており、昨年12月には今期の新製品をリリースしたことなどが業績を押し上げる。

■合計5日間のストップ高の急騰習性を発揮し上値トライ

株価は、昨年12月11日に公開価格2300円でIPOされ5390円で初値をつけ、IPO人気一巡後の上場来安値3485円からは、前期業績の上方修正で6180円高値をつけ、さらに今年3月4日に大分県日田市で建設しているキャンプ場を今年4月上旬に発表したことを歓迎して合計5日間のストップ高を交えて上場来高値1万3700円まで買い上げられ公開価格比5.95倍の大化けとなった。キャンプ場オープンの現実買いで直近IPO株人気を高めて急騰習性を再現、最高値奪回から上値トライが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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