【編集長の視点】イントラストは反落も連続の最高業績・増配を手掛かりに値ごろバリュー株買いが再燃余地

 イントラスト<7191>(東1)は、前週末1日に34円安の813円と変わらずを含めて6営業日ぶりに反落して引けた。同社株は、今年5月15日につけた株式分割の権利落ち後安値665円から短期に約200円幅の急伸を演じており、イタリアやスペインの政局混乱や米トランプ政権の保護主義的な通商政策など次々に飛び出す悪材料で全般相場の先行きが不透明化する環境下、目先の利益を確定する売り物が出てスピード調整した。ただ下値には、この悪外部環境の圏外に位置する内需系のバリュー株として、今2019年3月期が、2ケタの増収増益で連続して過去最高を更新すると予想され、配当も連続増配が予定されていることを手掛かりに値ごろ株買いが続いている。新たな収益事業として開発した医療費用・介護費用保証商品や養育費保証商品などが、販売を伸ばしていることも業績期待を高めている。

■保証事業では新サービス商品が順調に推移しソリューション事業もプラス寄与

 同社の今2019年3月期業績は、売り上げ34億4000万円(前期比16.5%増)、営業利益9億2500万円(同19.7%増)、経常利益9億2500万円(同23.0%増)、純利益6億3000万円(同23.8%増)と予想され、前期の過去最高を連続更新するとともに、売上高営業利益率も26.8%と目標の25%を連続してクリアする。保証事業では、家賃債務保証商品が、新規の入居申込審査業務や保険デスクサービスなどの周辺業務のニーズを取り込んで順調に推移し、ソリューション事業では、昨年11月に開設した横浜ソリューションセンターのフル稼働で業績寄与度を高め、さらに保証業界に先駆けて開発した医療費用・介護費用保証商品や養育費保証商品が、準備投資段階から実現投資段階にシフトして収益事業化することなどが要因となる。

 この今期の2ケタ増収増益の過去最高更新は、同社業績の高成長の一通過点にしか過ぎない。今年5月15日に策定を発表した中期経営計画では、今後3年間に挑戦投資、準備投資、実現投資トータルで6億5000万円~10億円の積極投資を実施して最終年度の2021年3月期に売り上げ50億円、営業利益12億5000万円を目指し、営業利益率25%をクリアする。また配当性向30%超を目標に株主への利益還元策を前向きに推進意向で、現に今2019年3月期の配当は7円を予定、今年2月28日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)を勘案すると実質で前期比4円の連続増配となる。

■分割権利落ち安値から3割高もバリュエーション評価で落ち後高値抜けから権利落ち埋め目指す

 株価は、昨年12月7日の東証第1部への市場変更を起点に株式分割の好材料が続いて上場来高値2232円まで4割高して、1871円で分割権利を落とした。分割権利落ち後は、配当権利落ちも重なって株式分割権利落ち後安値665円まで調整、今期業績の連続過去最高更新・連続増配予想で底上げに転じ、3割高した。なお全般相場の先行きが予断を許さない相場環境下、スピード調整場面は好買い場を示唆しており、バリュエーションを評価する内需関連株買いの再燃で逆行高、株式分割落ち後高値965円抜けから株式分割の権利落ち埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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