【編集長の視点】エムケイシステムは分割権利落ち後安値から3連騰、連続最高業績・価格改定を手掛かりに売られ過ぎ訂正買いが増勢

 エムケイシステム<3910>(JQS)は、前日6日に6円高の972円と小幅ながら3日続伸して引け、今年6月1日につけた株式分割権利落ち後安値947円からの底上げを続けた。今2019年3月期業績が、連続の過去最高更新と予想され、今年8月には社労夢事業の価格改定を予定していることも先取りされ、売られ過ぎ訂正買いが増勢となった。今年5月31日に働き方改革関連法案が、衆議院で可決され参議院で審議が始まり今国会での成立に向け前進していることも、関連株人気を高めている。

■社労士事務所向けのシェアを拡大しCuBe事業の新サービスもフル寄与

 同社の今2019年3月期業績は、売り上げ23億1800万円(前期比22.8%増)、営業利益4億3100万円(同3.3%増)、経常利益4億3100万円(同2.5%増)、純利益2億7500万円(同0.4%減)と予想され、売り上げ、営業利益、経常利益はそれぞれ前期の過去最高を連続更新する。社会保険、労働保険などの業務を支援するソフトウェアのAPSサービスを提供する社労夢事業では、今年8月には価格改定も実施するとともに、新規顧客開拓により社会保険労務士事務所向けのシェアを拡大し、登録顧問先事業所数を拡大させる。また、人事総務関連業務を効率化させるフロントシステムを開発・提供するCuBe事業では、昨年6月にリリースした「ネットde精算」、同10月リリースしたクラウドサービスの「年末調整CuBe」がフル寄与し、今年4月リリースの同サービスの「人財CuBe」が新規寄与することなどが要因となる。
 さらに衆議院で可決され、参議院で審議中の働き方改革関連法案が、今国会で可決・成立すれば、同社のCuBe事業のフロントシステムは、人事総務部門だけでなく、顧客企業全体の業務効率化をサポートするだけに、関連特需を集めて同社業績にプラスアルファとなってくる。

■25日線からなお8%超もマイナス乖離し「3割高下に向かえ」で分割権利落ち後高値奪回に再発進

 株価は、2013年3月の新規株式公開以来、2回目の株式分割(1株を2株、基準日・今年3月31日)を発表して分割権利取りで昨年来高値2897円まで買い進まれ2665円で分割権利を落とした。権利落ち後は、いったん理論価格を上回って権利落ち後高値1400円へ買い直されたが、今期業績予想が保守的とし、さらにイタリア政局の混乱、米トランプ政権の保護主義的な通商政策などで全般相場が波乱展開した影響も受け分割権利落ち後安値947円に突っ込んだ。同安値からは底上げしているものの、なお25日移動平均線からは8%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆している。分割権利落ち後から32%調整したここからは、相場格言の「3割高下に向かえ」にトライ、分割権利落ち後高値奪回を目指す絶好のチャンスとなりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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