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エスプールは自律調整交えながら上値試す、18年11月期2桁増収増益・増配予想で上振れの可能性
- 2018/6/7 08:11
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。18年11月期2桁増収増益・増配予想である。第2四半期累計予想を上方修正しており、通期予想も上振れの可能性が高いだろう。株価は5月高値から一旦反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。なお7月4日に第2四半期決算発表を予定している。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス、フィールドマーケティングサービス、セールスサポートサービス、新規事業など)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
17年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業34%、人材ソリューション事業66%だった。障がい者雇用支援サービスは17年11月期末時点で、農園数8農園、顧客企業数136社、管理区画数1337区画、就業数668名となった。新規事業のアルバイト採用代行サービス「Omusubi」も拡大している。
なお営業利益は、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期および第4四半期に偏重する傾向があるとしている。
17年10月アルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携した。17年12月中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携した。中国市場の特性に合わせた越境EC支援サービスを開始する。
中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。
■18年11月期2桁増収増益・増配予想で上振れの可能性
18年11月期連結業績予想は、売上高が17年11月期比16.2%増の135億87百万円、営業利益が20.7%増の8億14百万円、経常利益が16.7%増の8億02百万円、純利益が10.7%増の4億68百万円としている。需要が高水準に推移して2桁増収増益予想である。
セグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が9.1%増の43億64百万円で営業利益が5.0%増の7億64百万円、人材ソリューション事業の売上高が21.1%増の93億55百万円で営業利益が29.3%増の8億80百万円としている。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は千葉県に2園新設する。さらに6月1日、千葉県松戸市に新設すると発表した。これにより全国11施設(千葉県10施設、愛知県1施設)となる。またロジスティクスアウトソーシングサービスでは、18年2月本稼働の品川新センターも寄与する。
配当予想は年間5円(期末一括)としている。18年3月1日付株式5分割を考慮して17年11月期の年間18円を3円60銭に換算すると、実質1円40銭増配となる。予想配当性向は16.8%となる。
なお第2四半期累計の連結業績予想を5月11日に上方修正し、売上高が前年同期比27.4%増の67億91百万円、営業利益が34.4%増の3億52百万円、経常利益が34.3%増の3億56百万円、純利益が26.0%増の2億18百万円としている。
ビジネスソリューション事業では障がい者雇用支援サービスの新規受注が計画を上回り、人材ソリューション事業もグループ型派遣の強化などでコールセンター業務を中心に好調に推移している。
通期予想は新規事業などで計画に若干の遅れが生じているとして据え置いたが、上振れの可能性が高いだろう。
■株価は自律調整交えながら上値試す
株価(18年3月1日付で株式5分割)は5月28日の上場来高値1960円から一旦反落したが、自律調整の範囲だろう。
6月6日の終値1676円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円70銭で算出)は約56倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS92円54銭で算出)は約18倍である。時価総額は約264億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)