- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 協立情報通信は調整一巡感、19年2月期増収増益予想
協立情報通信は調整一巡感、19年2月期増収増益予想
- 2018/6/8 08:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開している。19年2月期はソリューション事業が拡大し、八丁堀移転関連費用の一巡も寄与して増収増益予想である。株価は戻り高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。
■ソリューション事業とモバイル事業を展開
中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。18年2月期セグメント別売上高構成比はソリューション事業29%、モバイル事業71%だった。
ソリューション事業は、NEC<6701>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、NTTドコモ<9437>、サイボウズ<4776>、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信システムソリューションでのNECのPBX(構内交換機)、会計情報ソリューションでのオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースに、情報インフラ分野、情報コンテンツ分野、情報活用分野の3分野に対応したワンストップソリューションサービスを提供している。
常設デモスペースの体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」で、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。
17年11月多摩大学大学院と「事業協力に関する覚書」を締結し、18年4月同大学院MBAコースに「協立情報通信カレッジ」を開講した。
17年12月には中堅・中小企業の情報化・情報活用を推進する取り組みを強化するため、情報創造コミュニティーを活動の中核として「Kic-Microsoft 365 Business 活用サポートサービス」の提供を開始した。
モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。
■第1四半期の構成比が高い収益特性
収益面では、ソリューション事業が企業のICT投資関連のため、3月期決算企業の年度末にあたる第1四半期の構成比が高くなる特性がある。
利益還元については、継続的かつ安定的な配当を年1回(期末)実施することを基本方針としている。配当水準については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。
■19年2月期増収増益予想
19年2月期の連結業績予想は、売上高が18年2月期比3.4%増の64億円、営業利益が9.6%増の3億円、経常利益が8.1%増の3億05百万円、純利益が4.1%増の2億05百万円としている。ソリューション事業が拡大し、八丁堀移転関連費用の一巡も寄与して増収増益予想である。配当予想は18年2月期と同額の年間50円(期末一括)としている。配当性向は29.2%となる。
ソリューション事業では、17年10月移転・拡張した情報創造コミュニティーの活用拡大により、ソリューション事業とモバイル事業の連携強化、顧客の深耕とソリューションの横展開による営業効率の向上、保守・レンタル・運用支援・情報活用教育などストックビジネスの強化を推進する。モバイル事業では店舗スタッフによるサービス品質や提案力の向上を図る。
■ソリューションへのシフトやストック型モデルの強化で高収益化目指す
企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティ」をキーワードとして高水準に推移することが予想されるため、中期的に物販からソリューションへのシフト、モバイル事業の利益率改善など、ストック型収益モデルの強化によって高収益化を目指す方針だ。
中期成長に向けた基本方針は、情報創造コミュニティーの活性化(教育サービスメニューの開発、顧客創造力の増強、定期的なパートナー交流)、パートナー企業との共同展開の積極化、ソリューションサービスのモバイル化とインフラ・コンテンツ・教育・生産価値情報・セキュリティをキーワードとしたサービス展開としている。
■株主優待制度は毎年2月末に実施
株主優待制度は毎年2月末に実施している。500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈する。
■株価は調整一巡感
株価は4月~5月の戻り高値圏1900円台から反落したが、3月安値1761円を割り込むことなく調整一巡感を強めている。
6月7日の終値1801円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS171円28銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1182円91銭で算出)は約1.5倍である。時価総額は約22億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)