マーケットエンタープライズは調整一巡感、18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略も推進している。18年6月期は営業黒字化予想である。収益改善を期待したい。株価は調整一巡感を強めている。

■インターネットに特化してリユース品買取・販売事業を展開

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築している。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンターで在庫を一括管理する。そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど、複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。
■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進

 中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。

 水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進し、出張・店頭買取における人口カバー率の向上や買取コンバージョン率の向上を目指す。リユースセンターは17年9月西東京、17年12月札幌を開設して合計10ヶ所となった。

 垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械の買取専門サービスサイト「農機具高く売れるドットコム」開始、17年3月宅配レンタルサービス「ReReレンタル」開始、17年11月ヤフオクの「カウマエニーク」においてヤフーやブックオフコーポレーションと出張買取で連携、18年2月SORABITOと中古建機・重機の買取・販売で提携、18年4月RECYCLE POINT TOKYO社から中古医療機器買取・販売事業を譲り受けて中古医療機器事業に参入した。

 新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立し、16年9月高機能中古スマホ・タブレットと低価格SIMカードを組み合わせた低価格通話サービス「カシモ」開始、17年10月「カシモWiMAX」開始した。

 また18年1月には国内最大の民泊物件サイトを運営するスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結した。リユース事業やレンタル事業と、シェアリングエコノミー領域におけるシナジー効果を目指す。

■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

■18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待

 18年6月期連結業績予想は、売上高が17年6月期比17.2%増の66億円、営業利益が55百万円の黒字(17年6月期は7百万円の赤字)、経常利益が51百万円の黒字(同4百万円の黒字)、純利益が29百万円の黒字(同19百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比9.0%増の44億55百万円、営業利益が26百万円(前年同期は57百万円の赤字)、経常利益が15百万円(同56百万円の赤字)、純利益が4百万円の赤字(同48百万円の赤字)だった。増収効果で営業黒字化した。売上総利益率は42.1%で1.3ポイント低下、販管費比率は41.5%で3.3ポイント低下した。

 通期ベースでは、リユース市場・EC市場が拡大基調であり、水平展開(全国主要都市への新規拠点開設)や垂直展開(取扱商材と顧客層の拡大)強化などで2桁増収予想である。利益面では、戦略的投資期間と位置付けて2拠点新規開設などで費用が増加するが、営業黒字化予想である。収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡感

 株価は戻り高値圏900円近辺から反落したが、700円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。

 6月8日の終値762円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5円71銭で算出)は約133倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS179円80銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約39億円である。週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形だ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る