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マーケットエンタープライズは調整一巡感、18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待
- 2018/6/11 06:40
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略も推進している。18年6月期は営業黒字化予想である。収益改善を期待したい。株価は調整一巡感を強めている。
■インターネットに特化してリユース品買取・販売事業を展開
インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を展開している。コンタクトセンターからリユースセンターまで一気通貫のオペレーションシステムを特徴とし、マルチチャネル対応で全国的な仕入・販売網を構築している。
買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、複数の自社運営WEB買取サイトを通じて一般消費者や法人からリユース品を仕入れ、全国のリユースセンターで在庫を一括管理する。そしてヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど、複数の主要Eマーケットプレイスに出店した自社運営サイトで、一般消費者や法人向けに販売する。販売サイトのサービスブランドは「ReRe(リリ)」に統一した。
■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進
中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、そして新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。
水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設を推進し、出張・店頭買取における人口カバー率の向上や買取コンバージョン率の向上を目指す。リユースセンターは17年9月西東京、17年12月札幌を開設して合計10ヶ所となった。
垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械の買取専門サービスサイト「農機具高く売れるドットコム」開始、17年3月宅配レンタルサービス「ReReレンタル」開始、17年11月ヤフオクの「カウマエニーク」においてヤフーやブックオフコーポレーションと出張買取で連携、18年2月SORABITOと中古建機・重機の買取・販売で提携、18年4月RECYCLE POINT TOKYO社から中古医療機器買取・販売事業を譲り受けて中古医療機器事業に参入した。
新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立し、16年9月高機能中古スマホ・タブレットと低価格SIMカードを組み合わせた低価格通話サービス「カシモ」開始、17年10月「カシモWiMAX」開始した。
また18年1月には国内最大の民泊物件サイトを運営するスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結した。リユース事業やレンタル事業と、シェアリングエコノミー領域におけるシナジー効果を目指す。
■引越しシーズンの第4四半期(4月~6月)の構成比が高い収益構造
収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。
■18年6月期営業黒字化予想で収益改善期待
18年6月期連結業績予想は、売上高が17年6月期比17.2%増の66億円、営業利益が55百万円の黒字(17年6月期は7百万円の赤字)、経常利益が51百万円の黒字(同4百万円の黒字)、純利益が29百万円の黒字(同19百万円の赤字)としている。
第3四半期累計は売上高が前年同期比9.0%増の44億55百万円、営業利益が26百万円(前年同期は57百万円の赤字)、経常利益が15百万円(同56百万円の赤字)、純利益が4百万円の赤字(同48百万円の赤字)だった。増収効果で営業黒字化した。売上総利益率は42.1%で1.3ポイント低下、販管費比率は41.5%で3.3ポイント低下した。
通期ベースでは、リユース市場・EC市場が拡大基調であり、水平展開(全国主要都市への新規拠点開設)や垂直展開(取扱商材と顧客層の拡大)強化などで2桁増収予想である。利益面では、戦略的投資期間と位置付けて2拠点新規開設などで費用が増加するが、営業黒字化予想である。収益改善を期待したい。
■株価は調整一巡感
株価は戻り高値圏900円近辺から反落したが、700円近辺から切り返して調整一巡感を強めている。
6月8日の終値762円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5円71銭で算出)は約133倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS179円80銭で算出)は約4.2倍、時価総額は約39億円である。週足チャートで見ると52週移動平均線が下値を支える形だ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)