ソレイジア・ファーマは底値圏、がん領域の創薬ベンチャーで18年~19年以降の上市本格化期待

 ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーで、候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。18年~19年の上市本格化を期待したい。なお18年12月期第1四半期に、継続企業の前提に関する重要事象等の記載を解消した。株価は底値圏だろう。

■がん領域中心の創薬ベンチャー、開発権導入による臨床開発が主力

 がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーである。候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。

 日本および中国を中心とするアジア諸国において、アンメット・メディカルニーズ(いまだに有効な治療方法が確立されていない、あるいは治療方法が限られている疾病に対する新たな治療の必要性および期待)に応えるために、世界の医薬品企業やバイオテクノロジー企業から有望な製品候補を導入し、国際共同治験を含む積極的な開発戦略によって迅速な承認取得を目指している。

 がん化学療法および放射線療法によるによる悪心・嘔吐を適応症とする「SP-01」は、中国で14年6月承認申請完了している。承認が遅れているが、18年上期承認・販売開始予定である。

 末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を適応症とする「SP-02」は日本・韓国・台湾・香港で第2相臨床試験(最終試験)実施中・18年末完了予定である。中国では第2相臨床試験(最終試験)準備中である。

 がん化学療法および放射線療法による口内炎に伴う疼痛緩和口腔用液材「SP-03」は日本で17年7月承認取得した。そして18年5月には国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマが「エピシル口腔用液」として販売開始した。中国では16年5月承認申請完了し、18年承認・19年上期までに販売開始予定である。

 がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応症とする「SP-04」(17年11月スウェーデンのPled社と日本・中国・韓国・台湾・香港・マカオでの開発事業化独占的権利導入契約を締結、Pled社商標PledOx)は、Pled社が米国で実施した日本人第1臨床試験が18年2月完了し、Pled社主導の第3相国際共同治験に参画予定である。

 なお中国での商流構築に関しては、17年9月に伊藤忠商事<8001>と中国販売にかかる代理店契約を締結している。対象製品は「SP-01」および「SP-03」中国販売用製品で、18年から販売体制を整備する。

■18年~19以降の上市本格化期待

 18年12月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が1億円~6億円、営業利益と純利益が30億円の赤字~32億円の赤字としている。売上収益には「SP-01」の中国承認時マイルストン収入と製品販売、および「SP-03」日本製品販売と中国承認時マイルストン収入を計画している。

 なお18年12月期第1四半期に、継続企業の前提に関する重要事象等の記載を解消した。第1四半期は売上収益が7百万円で、営業利益が3億25百万円の赤字、純利益が3億20百万円の赤字だったが、疼痛緩和口腔用液材「SP-03」が日本で17年7月承認取得し、18年5月に国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマが「エピシル口腔用液」として販売開始したことにより、一定の経常的な収益を計上しうる事業構造への転換点に到達したと判断した。

 当面は赤字予想だが、18年~19年の上市本格化、および19年以降の収益化を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は3月の戻り高値圏400円近辺から反落したが、2月安値287円を割り込む動きは見られない。ほぼ底値圏だろう。6月8日の終値は311円、時価総額は約274億円である。反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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