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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】トシン・グループは切り返しのタイミング、16年5月期の収益拡大期待
- 2015/3/19 06:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
電設資材商社のトシン・グループ<2761>(JQS)の株価は、上値を切り下げて調整局面だが2700円台で下げ渋り感を強めている。14年12月の直近安値2741円に接近して調整の最終局面のようだ。来期(16年5月20日期)の収益拡大、さらに自己株式取得や低PBRも評価材料として切り返しのタイミングだろう。
首都圏を中心として、電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開する持株会社である。小口多数販売や、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴としている。取扱商品や営業拠点網の拡充などで事業基盤強化を推進しており、14年4月に伊勢崎営業所、14年8月に太田足利営業所を開設した。
今期(15年5月20日期)連結業績見通し(7月4日公表)は売上高が前期比1.1%増の470億円、営業利益が同0.7%増の26億90百万円、経常利益が同1.2%増の35億90百万円、純利益が同1.1%増の21億円、配当予想が前期と同額の年間52円(第2四半期末26円、期末26円)としている。
第2四半期累計(14年5月21日~11月20日)は、消費増税に伴う新築住宅着工戸数の低迷などが影響して前年同期比2.1%減収、同18.7%営業減益、同12.3%経常減益、同12.7%最終減益だった。
四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(5月21日~8月20日)110億05百万円、第2四半期(8月21日~11月20日)115億38百万円で、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期6億円である。売上高、営業利益とも堅調に推移している。
通期見通しに対する進捗率は売上高が48.0%、営業利益が40.2%、経常利益が43.1%、純利益が43.7%だが、建設関連で下期の構成比が高い収益構造を考慮すれば概ね順調な水準だろう。
今期は14年4月の消費増税に伴う新築住宅着工件数の低迷、夏場の天候不順によるエアコン商戦の不発、新本社ビルへの移転に伴う賃借料の増加や減価償却費の増加などが影響して伸び悩むが、営業拠点網の拡充、新規得意先の開拓、小口多数販売の強化、得意先営業活動支援サービスの体制・機能強化など、グループ総合力を活かした付加価値サービス拡充の効果で、来期(16年5月20日期)の収益拡大が期待される。
14年8月11日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限60万株、取得価額総額の上限18億円、取得期間14年8月18日~15年7月31日)については、2月28日時点での累計取得株式総数が5万7600株、取得価額総額が1億6386万4300円となっている。
株価の動きを見ると、14年8月高値3145円から反落後は上値を切り下げて調整局面だが、2700円台では下げ渋り感を強めている。14年12月の直近安値2741円に接近して調整の最終局面のようだ。
3月18日の終値2770円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS233円61銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS3496円88銭で算出)は0.8倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、52週移動平均線が接近して下値を支えそうだ。来期(16年5月20日期)の収益拡大、さらに自己株式取得や0.8倍近辺の低PBRも評価材料として切り返しのタイミングだろう。