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建設技術研究所は年初来高値圏、18年12月期1Q赤字だが通期2桁営業増益予想
- 2018/6/15 08:24
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタント大手である。中期ビジョンでマルチインフラ&グローバル企業を目指している。18年12月期第1四半期は赤字だったが、通期はM&Aも寄与して2桁営業増益予想である。株価は年初来高値圏だ。
■総合建設コンサルタントの大手
総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益は変動しやすい特性がある。
中長期ビジョン「CLAVIS2025」目標(25年単体受注高400億円、連結受注高600億円)達成に向けて、中期経営計画2018では目標値として18年単体受注高350億円、連結受注高470億円、単体営業利益率7.0%(営業利益24億円)、連結営業利益率6.5%(営業利益30億円)を掲げている。そして英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化した。
18年1月には、河川・海岸施設、橋梁、トンネル分野に関して、国際規格ISO55001(アセットマネジメントシステム)の認証を取得した。18年2月にはAIベンチャーの知能技術(大阪市)と資本業務提携契約を締結した。
18年3月には関東地方整備局北首都国道事務所と、無人航空機による災害応急対策活動(撮影等)に関する協定を締結した。東京都心23区内の震度6以上の地震発生時において、被災状況の早期把握を図ることを目的としている。
■18年12月期1Q赤字だが、通期は2桁営業増益予想
18年12月期連結業績予想(6月8日に純利益を1億円減額修正)は、売上高が17年12月期比18.7%増の585億円、営業利益が19.8%増の29億円、経常利益が18.0%増の29億50百万円、純利益5.3%増の17億円としている。
第1四半期は売上高が前年同期比43.6%増の108億96百万円、営業利益が39百万円の赤字(前年同期は5百万円の黒字)、経常利益が46百万円の赤字(同5百万円の黒字)、純利益が1億41百万円の赤字(同5百万円の黒字)だった。受注高は29.8%増の119億06百万円だった。
英Waterman Group Plcの連結も寄与して大幅増収だが、販管費の増加などで営業利益、経常利益は赤字だった。純利益は、非連結子会社である武漢長建(中国)の経理処理精査に伴って、特別損失に関係会社出資金評価損50百万円、貸倒引当金繰入額91百万円を計上したことも影響した。
第1四半期は赤字だったが、通期ベースでは受注が好調に推移し、英Waterman Group Plcの通期連結も寄与して2桁営業増益予想である。配当予想は17年12月期と同額の年間22円(期末一括)で、予想配当性向は18.3%となる。
■株価は年初来高値圏
株価は年初来高値圏だ。6月11日に第1四半期赤字を嫌気する場面があったが、影響は限定的のようだ。
6月14日の終値は1441円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS120円22銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1881円01銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約204億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)