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京写は下値固め完了して戻り歩調、受注拡大基調で19年3月期大幅営業増益予想
- 2018/6/19 08:58
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。自動車関連やLED照明関連の受注が拡大基調である。19年3月期は原材料価格高騰に対する価格是正も進展して大幅営業増益予想である。株価は下値固め完了して戻り歩調だ。
■プリント配線板の大手メーカー、LED照明関連市場が拡大
プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。プリント配線板は防塵対策基板、高熱伝導・放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持ち、生産は国内、中国、インドネシアに拠点展開している。
18年3月期の製品別売上高構成比は片面板47%、両面板39%、その他(実装治具関連)13%だった。また製品用途別売上高構成比は自動車関連32%、家電製品27%、事務器10%、映像関連9%、電子部品・電子機器8%、アミューズメント関連2%、その他12%だった。
幅広い用途と顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得し、LED照明関連市場の拡大も背景として、製品サイクルの長い自動車関連や家電関連を強化している。収益面では自動車や家電などの生産動向の影響を受けやすいが、LED照明関連市場の拡大が追い風である。新製品では車載ヘッドランプ向けの開発が完了し、受注も進展している。
中期経営計画では、目標数値に21年3月期売上高280億円(片面配線板105億円、両面配線板145億円、治具20億円、実装10億円)、営業利益17億円(営業利益率6.0%)を掲げている。株主還元は配当性向20%を目標とする。車載ヘッドランプ向け新製品など高付加価値製品の拡販、フイルム基板など新製品の開発、両面配線板の生産能力増強、新規事業の創出・育成などを推進する。生産能力増強では新工場建設も検討する。
なお18年5月には、中国で両面プリント配線板および多層プリント配線板の生産を委託しているサンティス香港、およびその子会社のサンティス南沙と資本・業務提携した。資本面や技術面の関係を強化する。
■19年3月期大幅営業増益予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.5%増の220億円、営業利益が29.4%増の7億50百万円、経常利益が20.3%増の7億40百万円、純利益が7.4%増の5億円としている。
自動車関連やLED照明関連の受注拡大、原材料価格上昇に対応した価格是正の進展、自動化投資による生産性向上、海外法人設立に係る一時的費用の一巡などで大幅営業増益予想である。好業績が期待される。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間8円(期末一括)としている。予想配当性向は22.8%となる。
■株価は下値固め完了して戻り歩調
株価(18年4月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更)は450円近辺で下値固めが完了して戻り歩調だ。
6月18日の終値502円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円89銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS473円72銭で算出)は約1.1倍である。時価総額は約73億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)