イオレはほぼ底値圏、団体活動を支援するデータカンパニー
- 2018/6/21 06:28
- 株式投資ニュース
イオレ<2334>(東マ)は団体活動を支援するデータカンパニーで、グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」などを展開している。19年3月期は営業戦略転換で減益予想としている。株価はIPO人気が一巡し、19年3月期減益予想も嫌気して水準を切り下げたが、IPO時高値から3分の1水準でほぼ底値圏だろう。
■団体活動を支援するデータカンパニー
17年12月東証マザーズに新規上場した。団体活動を支援するデータカンパニーである。17年7月には凸版印刷<7911>と資本業務提携している。
無料のグループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」運用を主力として、アルバイト求人サイト「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」運用、および広告配信・マーケティング調査向けDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)と連携したDSP広告サービス「pinpoint」も展開している。
主力の「らくらく連絡網」は団体活動を支援する日本最大級の連絡網サービスで、17年9月末時点の会員数は669万人、アプリ会員数は138万人、有効団体数は38万団体に達している。
広告収入、送客成果報酬、広告主からのサービス収入が収益柱である。なお「らくらく連絡網」は、学校関係など一部の団体活動が終了する年末から3月末に会員数および団体数が減少し、新学期が始まる4月から6月に会員数および団体数が増加するという季節要因があるとしている。
■19年3月期は営業戦略転換で減益予想
19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比19.8%増の18億57百万円、営業利益が86.9%減の22百万円、経常利益が86.8%減の20百万円、純利益が87.2%減の11百万円としている。
DSPを中心とする運用型広告拡大の流れを受け、営業戦略および営業体制を、自社メディア広告から、DSP広告サービス「pinpoint」および他社メディア運用型広告に転換する。この影響で自社メディア広告販売が減少して粗利が微増にとどまり、人件費や広告宣伝費が増加して減益予想としている。
今後の成長戦略として、強みのある求人広告・採用広告で運用型広告の実績を、競合他社に先んじて確立することを優先し、規模の拡大によって利益が回復する見通しとしている。
■株価はほぼ底値圏
株価はIPO人気が一巡し、さらに19年3月期減益予想も嫌気して水準を切り下げ、6月20日には1571円まで下押す場面があった。ただし17年12月IPO時の高値5320円の3分の1水準まで調整してほぼ底値圏だろう。6月20日の終値は1635円、今期予想PERは約324倍、時価総額は約38億円である。