クリーク・アンド・リバー社が川崎市と連携し開放特許など活用の新しい事業を開始

■大企業の知財と中小企業の技術を結び新製品などの開発を支援

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)は25日午前、川崎市と連携し、大企業の開放特許(知的財産:知財)を中小企業の技術と結びつける知的財産活用の新しい事業を開始したと発表した。中小企業が知財を活用して新製品や新サービスなどを開発する事業創生に、クリーク・アンド・リバー社のクリエイターなどプロフェッショナルのアイデアを掛け合わせ、マッチング精度を高めた知的財産活用の新しい事業を、川崎市と連携して開始する。

■川崎市は大企業の開放特許を中小企業へ移転する「川崎モデル」で10年間に20件の製品化を実現

 川崎市では、大企業の開放特許を市内の中小企業へ移転し、中小企業の新製品開発をサポートする取り組みを2007年から全国に先駆けてモデル事業としてスタート。2008年から重点事業として実施している。

 「川崎モデル」と呼ばれるこの知的財産交流活動の特徴は、川崎市と川崎市産業振興財団が一体となって、マッチングから製品化、販路開拓までを一貫して支援していることであり、これまでの実績は30件のマッチングが成立、うち20件が製品化されている。

 クリーク・アンド・リバー社が川崎市と連携する本事業では、「川崎モデル」で、すでに30件という全国有数の成約実績を誇る川崎市の強みと、Web・映像・ゲームなどのクリエイターや、医師・弁護士・建築士・ファッションデザイナー・シェフ・研究者など、同社の23万人のプロフェッショナルのアイデアとプロデュース力という強みを活かした、先進的な知的財産活用の取り組みになる。

■補助金事業「クリエイターを活用した大企業開放特許の事業化推進事業」の一環

 大企業と中小企業との間で知財を活用する場合、大企業には「開放できる特許を使ってどのようなことができるのかイメージが湧かない」という課題と、一方で中小企業には「技術はあるが、商品化に結び付けるアイデアが無い」という課題などが存在している。同社では、このような課題解決に対し、最適なプロフェッショナルを選抜してチームを組成。自由な発想やアイデアで大企業の知財活用法を提案するコンテンツ制作などでマッチング精度を高め、川崎市と連携しながら知財交流イベント開催や支援をしていく。

 本事業は、特許庁および経済産業省関東経済産業局の「平成30年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金(地域中小企業知的財産支援力強化事業)」で、「クリエイターを活用した大企業開放特許の事業化推進事業」として採択されている。同社は、プロフェッショナル・エージェンシーとして、ライツマネジメントを事業の柱の一つとしており、来年以降もこの取り組みを事業化し、全国で展開していく計画だ。

 本年の本事業に参加する自治体は、川崎市を始め、静岡県富士宮市、山形県米沢市、および高畠町、福島県の4都市。いずれも、中小の下請け製造企業などが集積し、自社製品やサービスの開発で自立を積極的に考えている地域になる。(HC) 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る