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インフォコムは高値更新の展開、19年3月期営業増益・増配予想
- 2018/7/2 06:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォコム<4348>(JQ)は、ITサービスや電子コミック配信サービスを主力として、IoT領域の事業創出も積極推進している。19年3月期営業増益・増配予想である。株価は上場来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、ERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安全確認サービスなどのサービスビジネス事業)、および一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス、eコマース、女性向けや音楽系デジタルコンテンツの提供)を展開している。
18年3月期のセグメント別売上高構成比はITサービス54%、ネットビジネス46%、営業利益構成比(連結調整前)はITサービス42%、ネットビジネス58%である。収益面では、ITサービス事業は年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■新中期経営計画で成長加速
17年2月策定の新中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では、基本方針を成長の追求と、成長を支える経営基盤の継続強化としている。
成長の追求では電子コミックとヘルスケアを重点事業としてM&Aを積極推進し、AIやIoTを活用したビジネス展開も推進する。成長を支える経営基盤の継続強化では品質管理の継続強化とサービス品質向上、業務プロセス改革による効率化と社会との協業強化、人財育成強化を推進する。
経営目標数値には、20年3月期売上高600億円~800億円(SI・サービス160億円、ヘルスケア140億円、電子コミック300億円、およびM&A200億円)、EBITDA(営業利益+償却費)70億円~100億円、重点事業(電子コミックとヘルスケア)比率70%、ROE10%以上、配当性向30%を掲げ、M&A戦略投資枠200億円を掲げている。
電子コミック事業は最新IT技術による機能強化や導線強化による会員数拡大を推進する。ヘルスケア事業は地域包括・介護領域の強化を推進する。
18年3月には電子書籍事業大手パピレス<3641>の株式を取得(議決権割合9.83%)した。18年5月には、企業の従業員向けストレスチェックのアウトソーシングサービスを行うメディカル・ビー・コネクト(MBC)社のメンタルヘルス対策事業を当社事業に統合する契約を締結した。企業向け総合健康支援サービスに本格参入する。また18年6月には、AI与信エンジン搭載の通信販売事業者向け後払い決済与信サービス「at score」をリリースした。
■19年3月期営業増益・増配予想
19年3月期の連結業績予想は売上高が18年3月期比9.2%増の500億円、営業利益が11.5%増の65億円、経常利益が9.5%増の65億50百万円、純利益が3.0%減の45億円としている。純利益は固定資産売却益の一巡で微減益予想だが、ヘルスケア事業や電子コミック配信サービスが順調に推移して増収・営業増益予想である。
セグメント別の計画は、ITサービスの売上高が6.2%増の260億円で営業利益が9.8%増の27億円、ネットビジネスの売上高が12.8%増の240億円で営業利益が13.1%増の38億円としている。
なお19年3月期の配当予想は18年3月期比2円増配の年間40円(第2四半期末10円、期末30円)としている。予想配当性向は24.3%となる。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。連結子会社ドゥマンが運営する食品通信販売サイト「オーガニックサイバーストア」で利用可能なポイント(1ポイントを1円として利用)を保有株数と保有年数に応じて贈呈する。
■株価は上場来高値更新の展開
株価は17年10月の2935円を突破して上場来高値更新の展開だ。6月29日には3060円まで上伸した。
6月29日の終値3040円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS164円56銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1032円15銭で算出)は約2.9倍である。時価総額は約876億円である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線が26週移動平均線と52週移動平均線を一気に上抜いて先高観を強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)