レカムは戻り高値圏、18年9月期大幅増収増益予想、中国の子会社が新規上場

 レカム<3323>(JQ)は情報通信事業を主力として、BPO事業、海外法人事業も展開している。18年9月期はM&A効果や海外法人事業拡大などで大幅増収増益予想である。7月4日には中国の子会社が7月3日付で新規上場承認されたと発表している。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■情報通信機器やLED照明を販売する情報通信事業が主力

 中小企業向けに情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する情報通信事業を主力として、業務プロセスを受託するBPO事業、海外で情報通信機器・LED照明・業務用エアコンなどを販売する海外法人事業も展開している。情報通信事業は直営店、FC加盟店、グループ関連会社、および代理店で展開している。17年9月期の事業別売上高構成比は情報通信事業84%、BPO事業7%、海外法人事業10%である。

 17年12月に光通信<9435>とLED照明・業務用エアコン販売で資本業務提携し、18年1月には光通信の子会社アイ・イーグループ・エコの株式51%を取得して子会社化(レカムIEパートナーに社名変更、18年9月期中にレカムIEパートナーとレカムエナジーパートナーを合併予定)した。

 18年2月マレーシアでLED照明・業務用エアコンの販売を開始した。海外法人事業は中国(上海、大連、広州)、ベトナム、ミャンマーに続く展開となる。18年4月には情報通信機器・光回線販売のR・S、およびOAソリューション事業・NTT回線事業のG・Sコミュニケーションズを子会社化した。

 7月4日には、中国で日系企業向けBPOサービスやLED照明販売・施工などを展開する子会社のレカムビジネスソリューションズ(大連)が、7月3日付で中国の新興企業向け市場「新三板」に新規上場承認されたと発表している。

■18年9月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想

 18年9月期の連結業績予想(2月14日に増額修正)は売上高が17年9月期比49.8%増の77億円、営業利益が2.4倍の7億円、経常利益が2.6倍の6億70百万円、純利益が2.4倍の3億40百万円としている。レカムIEパートナーやR・Sの新規連結、海外法人事業の拡大などで大幅増収増益予想である。配当予想は50銭増配の年間1円50銭(期末一括)としている。予想配当性向は26.5%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比23.7%増の29億80百万円、営業利益が2.0倍の2億12百万円、経常利益が2.0倍の1億96百万円、そして純利益が46.7%増の1億01百万円だった。新規事業の拡大、ストック利益の拡大、中核事業の利益改善で、第2四半期累計として過去最高だった。

 情報通信事業は、直営店およびFC加盟店・代理店チャネルが減収だったが、レカムIEパートナーの新規連結やヴィーナステックジャパンの売上伸長などで、売上高が15.1%増の23億84百万円、営業利益が2.2倍の1億22百万円だった。

 BPO事業は売上高が20.8%増の1億92百万円だが、円高影響などで営業利益が15.8%減の22百万円だった。海外法人事業は17年8月営業開始したベトナムレカムも寄与して、売上高が2.3倍の4億03百万円、営業利益が3.3倍の67百万円だった。

 費用面では、事業拡大に向けた人員増強で人件費や採用費が増加し、本社移転費用も発生したが、増収効果などで吸収した。売上総利益率は33.2%で9.2ポイント上昇、販管費比率は26.1%で0.8ポイント上昇した。

 通期のセグメント別計画は、情報通信事業の売上高が11.6%増の46億30百万円で営業利益が39.2%増の1億75百万円、環境関連事業(情報通信事業からLED照明などを分離)の売上高が8.8倍の13億70百万円で営業利益が5.5倍の1億65百万円、BPO事業の売上高が46.6%増の6億80百万円で営業利益が85.2%増の1億円、海外法人事業の売上高が2.4倍の11億60百万円で営業利益が3.2倍の2億60百万円としている。利益面では海外法人事業の構成比が最も高くなる見込みだ。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が38.7%、営業利益が30.3%、経常利益が29.3%、純利益が29.7%と低水準の形だが、期中のM&A効果を考慮すれば通期ベースでも好業績が期待される。

■中長期成長戦略でグローバル専門商社構想

 中期経営計画では、目標値に19年9月期売上高100億円、営業利益10億円を掲げている。4事業(情報通信事業、環境関連事業、BPO事業、海外法人事業)の規模拡大に向けたM&A戦略も推進する。さらに中長期の成長戦略として、IT&エコソリューションを提供するグローバル専門商社構想を掲げている。

■株価は戻り高値圏

 18年4月第三者割当(マッコーリー・バンク・リミテッド)による新株式発行、第18回修正条項付新株予約権(9万個=900万株)発行で資金調達した。6月末時点の未行使新株予約権個数は8万8240個である。

 株価は戻り高値圏の300円近辺で推移している。地合い悪化の影響は限定的だ。7月4日の終値292円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS5円65銭で算出)は約52倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円50銭で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS27円26銭で算出)は約11倍である。時価総額は約195億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインだ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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