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テクマトリックスは目先的な売り一巡して反発期待、19年3月期増収増益・連続増配予想
- 2018/7/9 06:41
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は、システム受託開発やセキュリティ関連製品販売などの情報サービス事業を展開している。19年3月期増収増益・連続増配予想である。株価は7月2日発表の自己株式消却および第1回新株予約権発行を嫌気する形で上場来高値圏から急落したが、目先的な売り一巡して反発を期待したい。なお7月31日に第1四半期決算発表を予定している。
■セキュリティ関連やクラウドサービスなどを展開
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、および医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム受託開発やクラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。
クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fastシリーズ」や、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。
18年3月期末の「NOBORI」の契約施設数は800施設、画像保管患者数は2154万6250人、保存検査件数は1億1564万1249件となった。18年5月には、経済産業省と東京証券取引所による「攻めのIT経営銘柄2018」において「IT経営注目企業2018」に選定された。医療情報クラウドサービス「NOBORI」が評価された。
18年3月期のセグメント別売上高構成比は情報基盤事業67%、アプリケーション・サービス事業33%、営業利益構成比は情報基盤事業82%、アプリケーション・サービス事業18%だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
■中期経営計画で21年3月期営業利益27億円目標
18年5月策定の新中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、目標数値に21年3月期売上高280億円、営業利益27億円を掲げた。セグメント別には、情報基盤事業の売上高が185億円で営業利益が17億50百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が95億円で営業利益が9億50百万円とした。
事業戦略としては、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、およびセキュリティ&セイフティ(安心と安全)の推進、さらに資本・業務提携や大学・研究機関との連携など事業運営体制の多様化、全領域におけるサービス化の加速、AI利用を含むデータの利活用、BtoC(消費者向けビジネス)への参入、海外市場での事業の加速、グループを横断した人財・技術の有効活用など事業運営基盤の強化、M&Aの活用を掲げている。
事業運営体制の多様化では18年4月、医療システム事業を100%子会社NOBORIに承継し、NOBORIが行う第三者割当増資を三井物産<8031>が引き受けた。三井物産と共同で事業展開する。
■19年3月期増収増益・連続増配予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比4.2%増の245億円、営業利益が15.6%増の22億円、経常利益が5.6%増の21億70百万円、純利益が6.3%増の13億90百万円としている。配当予想は3円増配の年間23円(期末一括)で、予想配当性向は28.7%となる。
情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業とも伸長して増収増益予想である。売上高の計画は情報基盤事業が2.9%増の163億円、アプリケーション・サービス事業が6.9%増の82憶円としている。医療情報クラウドサービス「NOBORI」の契約施設数の目標は1000施設としている。
■株主優待制度は毎年9月末に実施
株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。
■株価は目先的な売り一巡して反発期待
7月2日に自己株式消却、および大和証券を割当先とする第1回行使価額修正条項付新株予約権発行を発表した。18年3月末時点で保有する自己株式738万7953株のうち、約3分の1に相当する250万株を7月5日付で消却するとともに、第1回新株予約権発行に自己株式から最大250万株を充当して資金調達する。調達資金はM&A等に活用する。残りの自己株式は当面保有する。
株価は6月13日の上場来高値2479円から反落し、さらに第1回新株予約権発行を嫌気する形で急落した。ただし1900円近辺で目先的な売り一巡感を強めている。
7月6日の終値1945円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS80円02銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS339円40銭で算出)は約5.7倍である。時価総額は約433億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。目先的な売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)