- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- インテージホールディングスは下値固め完了、19年3月期営業増益・6期連続増配予想
インテージホールディングスは下値固め完了、19年3月期営業増益・6期連続増配予想
- 2018/7/9 06:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インテージホールディングス<4326>(東1)は市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。19年3月期は各事業が順調に推移して営業増益予想、そして6期連続増配予想である。株価は戻りの鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。なお8月10日に第1四半期決算発表を予定している。
■国内首位の市場調査が主力
子会社インテージのSCI(全国個人消費者パネル調査)やi-SSP(インテージシングルソースパネル)など、国内首位・世界9位の市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。収益面では期後半の構成比が高い特性がある。
18年3月期のセグメント別売上構成比は、消費財・サービス分野のマーケティング支援事業(事業会社インテージ、インテージリサーチ、アクセス・ジェーピー、海外子会社)66%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業(事業会社アンテリオ、アスクレップ、医療情報総合研究所、プラメドなど)22%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業(事業会社インテージテクノスフィア)12%、営業利益構成比は消費財・サービス分野のマーケティング支援事業54%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業35%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業11%である。
国内外における積極的なM&A・アライアンス戦略で業容を拡大している。18年3月ビジネスインテリジェンス事業の技術力強化を目指してシステム受託開発のビルドシステムを子会社化した。
18年5月には子会社インテージがライブモニタリング領域においてDatorama Japanと業務提携に基本合意、子会社アスクレップがメディカルインキュベータジャパン、医薬情報ネット、ケアネット、ゴールデン・チャイルド、マクロミルケアネットと、臨床開発から承認申請、上市準備、販売、安全性評価までのプロセスをワンストップで支援することを目的にSSIコンソーシアム設立を発表した。
■20年3月期営業利益50億円目標
第12次中期経営計画では、目標値に20年3月期売上高620億円(消費財・サービス分野マーケティング支援事業394億円、ヘルスケア分野マーケティング支援事業126億円、ビジネスインテリジェンス事業100億円)、営業利益50億円を掲げた。営業利益率8%水準、および売上高R&D経費比率2%水準を継続する。株主還元はROAを意識して配当性向35%を目安とする。
なおヘルスケア領域の子会社アスクレップとアンテリオを19年4月(予定)統合し、ヘルスケア領域のフォーメーションを再構築する。またSRI(全国小売店パネル調査)からCensus―Hybrid SRI(仮称)への移行は、20年に正式リリースの計画だ。
SBIインベストメントと共同設立したIntage Open Innovation Fundは、パーソナルAI「al+(オルツ)」を開発するオルツ、WEBリサーチのリサーチ・アンド・イノベーション、IoTデータ流通プラットフォームの米EverySense社など、18年5月時点で10社超に約13億円を投資している。
■19年3月期営業増益・6期連続増配予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.0%増の530億円、営業利益が4.4%増の42億円、経常利益が1.4%減の42億50百万円、純利益が4.9%減の29億円としている。各事業が順調に推移し、先行投資負担を吸収して営業増益予想である。配当予想は2円増配の年間22円(期末一括)としている。6期連続増配で、予想配当性向は31.2%となる。
セグメント別の計画は、消費財・サービス分野マーケティング支援事業の売上高が5.5%増の350億円で営業利益が1.6%増の22億円、ヘルスケア分野マーケティング支援事業の売上高が3.9%増の115億円で営業利益が9.7%増の15億50百万円、ビジネスインテリジェンス事業の売上高が4.1%増の65億円で営業利益が0.9%増の4億50百万円としている。
■株価は下値固め完了
18年1月5日発行の第1回新株予約権(行使指定・停止指定条項付)について、6月22日に割当先である野村證券に対して停止指定を決定した。停止期間は18年7月2日以降、18年9月28日までとしている。3月16日付に続く2回目の停止指定である。
株価は6月29日に戻り高値となる1285円まで上伸する場面があったが、急反落して7月6日には1121円まで調整した。戻りの鈍い展開だ。ただし1100円台を割り込むことなく下値固め完了感を強めている。
7月6日の終値1143円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS70円50銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS660円69銭で算出)は約1.7倍である。時価総額は約473億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形となったが、1100円近辺が下値支持線だ。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)