- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- フォーカスシステムズは調整一巡感、19年3月期営業増益予想
フォーカスシステムズは調整一巡感、19年3月期営業増益予想
- 2018/7/9 06:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。またドローンの産業利活用促進に向けて規制緩和への取り組みも強化している。19年3月期は需要が高水準に推移して増収・営業増益・経常増益予想である。株価は地合い悪化の影響で2月の年初来安値に接近したが、調整一巡感を強めている。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。また財務面では実質無借金経営である。
18年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。顧客別売上構成比はNTTデータ<9613>関連34%、日本IBM関連21%、ソフトバンク<9984>関連4%、TISインテック関連4%、沖電気<6703>関連4%、その他33%だった。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
18年5月には一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)とアライアンスパートナー契約を締結、JPPVR社と共同でVR・AI・ブロックチェーン等の先端技術の研究開発を行う新会社VRaiB社を設立した。18年6月にはDPAとともに、ドローンの産業利活用促進に向けて規制緩和に取り組むとリリースしている。
■19年3月期営業増益予想
19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.5%増の200億円、営業利益が5.3%増の10億80百万円、経常利益が4.0%増の10億60百万円、純利益が2.7%減の7億円としている。
純利益は特別利益が一巡して減益だが、需要が高水準に推移して増収・営業増益・経常増益予想である。配当予想は18年3月期比1円減配の年間15円(期末一括)としている。予想配当性向は32.2%となる。
■株主優待制度は3月末に実施
株主優待制度は、毎年3月末現在2単元(200株)以上保有株主を対象として保有株式数に応じたポイントを贈呈する。そのポイントを株主限定の特設ウェブサイト「フォーカスシステムズ・プレミアム優待倶楽部」において、約700種類の商品の中から選んで交換できる。ポイントは次年度へ繰り越す(最大2年間有効)ことができる。
■株価は調整一巡感
17年11月28日発表した第三者割当(大和証券)による行使価額修正条項付第1回および第2回新株予約権(潜在株式数第1回120万株、第2回100万株)について、3月16日時点で第1回新株予約権の行使が完了した。
株価は地合い悪化の影響を受けて7月5日に774円まで調整し、2月の年初来安値765円に接近したが、7月6日には810円まで切り返して調整一巡感を強めている。
7月6日の終値801円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS46円52銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は約1.9%、前期実績PBR(前期実績BPS611円34銭で算出)は約1.3倍である。時価総額は約131億円である。調整一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)