ミロク情報サービスは売られ過ぎ感、19年3月期2桁増収増益・連続増配予想

 ミロク情報サービス<9928>(東1)は、財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。19年3月期は2桁増収増益・連続増配予想である。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。

 18年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が61%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。

 会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標として21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指している。

■クラウドサービスやFinTech分野を強化

 中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築し、振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など、新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開している。

 子会社のビズオーシャンは、音声AIを活用して報告書や業務日報などのビジネスドキュメントを手軽に作成する新サービス「SPALO(スパロ)」を開発し、17年10月から提供開始した。

 17年11月には新生銀行と資本業務提携した。MJS製品における金融サービス開発および地域金融機関への展開で連携する。またFinTech企業を支援するため新たなファンド事業への参画も検討する。18年3月には、小規模事業者を対象とした口座情報や各種取引情報の自動取得を可能とするクラウドサービス「MJSお金の管理」の提供を開始した。中小企業の経営・業務改善を支援する「bizskyビジネス・プラットフォーム」上で稼働するサービスだ。

■19年3月期2桁増収増益・増配予想

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比10.9%増の306億円、営業利益が12.6%増の50億50百万円、経常利益が13.0%増の50億円、純利益が14.3%増の32億90百万円としている。配当予想は3円増配の年間30円(期末一括)としている。連続増配予想で、予想配当性向は28.5%となる。

 新規開拓による顧客基盤の拡大、先端技術を活用した製品開発、コスト構造最適化による生産性向上、新規事業推進とグループシナジー最大化などの施策で、システム導入契約売上高、サービス収入とも順調に拡大する見込みだ。好業績が期待される。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値更新の展開となった。7月6日には2609円まで下押す場面があった。ただし売られ過ぎ感を強めている。

 7月6日の終値2688円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円33銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS520円87銭で算出)は約5.2倍である。時価総額は約936億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感を強めている。売り一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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