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エスプールは調整一巡して上値試す、18年11月期2Q累計が計画超の大幅増収増益で通期も上振れの可能性
- 2018/7/11 07:14
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。18年11月期第2四半期累計は計画超の大幅増収増益だった。通期も2桁増収増益・増配予想である。そして上振れの可能性が高いだろう。株価は5月高値から一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開が期待される。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
17年11月期売上構成比はビジネスソリューション事業34%、人材ソリューション事業66%である。なおビジネスソリューション事業のフィールドマーケティングサービス(スマートメーター設置業務)は17年11月末に終了した。また営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は、17年11月期末時点で8農園を展開し、利用企業数が136社、管理区画数が1337区画、就業数が668名である。また新規事業のアルバイト採用支援サービス「Omusubi」は取引社数が28社に拡大した。
17年10月アルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携した。17年12月には中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携した。中国市場の特性に合わせた越境EC支援サービスを開始する。
中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。
■18年11月期2Q累計が計画超の大幅増収増益で通期も上振れの可能性
18年11月期連結業績予想は、売上高が17年11月期比16.2%増の135億87百万円、営業利益が20.7%増の8億14百万円、経常利益が16.7%増の8億02百万円、純利益が10.7%増の4億68百万円としている。需要が高水準に推移して2桁増収増益予想である。
セグメント別の計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が9.1%増の43億64百万円で営業利益が5.0%増の7億64百万円、人材ソリューション事業の売上高が21.1%増の93億55百万円で営業利益が29.3%増の8億80百万円としている。ビジネスソリューション事業では障がい者雇用支援サービスにおける農園新設、ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける品川物流センター本稼働も寄与する。
配当予想は年間5円(期末一括)としている。18年3月1日付株式5分割を考慮して17年11月期の年間18円を3円60銭に換算すると、実質1円40銭増配となる。予想配当性向は16.8%となる。
第2四半期累計の連結業績(7月2日に2回目の上方修正)は、売上高が前年同期比28.8%増の68億65百万円、営業利益が76.6%増の4億63百万円、経常利益が76.3%増の4億68百万円、純利益が74.6%増の3億03百万円だった。
需要が高水準に推移して計画超の大幅増収増益だった。売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。売上総利益率は27.4%で0.9ポイント上昇、販管費比率は20.6%で1.0ポイント低下した。
ビジネスソリューション事業は売上高が17.0%増の20億46百万円で営業利益が55.8%増の4億10百万円だった。17年11月末に撤退したスマートメーター設置業務の売上が無くなったが、障がい者雇用支援サービスが18年4月の障害者雇用促進法改正も追い風として大幅伸長した。ロジスティクスアウトソーシングサービスもEC通販発送代行サービスが伸長した。品川物流センター新設(18年2月本稼働)に伴う先行費用負担を吸収して大幅増益だった。
障がい者雇用支援サービスの農園は2ヶ所新設して10農園、利用企業数は158社、管理区画数は1643区画となった。アルバイト採用支援サービス「Omusubi」は取引社数が54社に拡大した。
人材ソリューション事業は売上高が35.7%増の48億72百万円で営業利益が41.1%増の4億83百万円だった。主力のコールセンター業務や店頭販売支援業務が大幅伸長し、社会保険負担の増加などを吸収して大幅増益だった。
通期予想は育成中の事業の戦略軌道修正などを考慮して据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が56.9%と高水準である。通期予想も上振れの可能性が高いだろう。
■株価は調整一巡して上値試す
株価(18年3月1日付で株式5分割)は5月の上場来高値1960円から反落したが、6月の直近安値1283円から切り返し、7月10日には1619円まで上伸する場面があった。調整が一巡したようだ。
7月10日の終値1510円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円70銭で算出)は約51倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS92円54銭で算出)は約16倍である。時価総額は約238億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)