【編集長の視点】ヨコレイは年初来安値水準から小反発、最速梅雨明け後の猛暑を手掛かりに連続最高業績を買い直す
- 2018/7/13 08:14
- 編集長の視点
ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日12日に1円高の981円と2日ぶりに小反発して引け、今年7月4日につけた年初来安値(972円)に迫る975円安値を前に下値抵抗力を発揮し底上げを窺った。今年6月29日に関東甲信地方が、過去最速で梅雨明けし、その後も真夏日が続いていることから、猛暑関連株人気を高めるとともに、今2018年9月期の連続最高純利益更新予想を見直し、売られ過ぎとして割安株買いが再燃した。猛暑到来で、今年2月に竣工した東京羽田物流センターにより首都圏を取り囲む12カ所の冷凍食品の物流網が完成、フル稼働することも業績期待を強めている。
■東京羽田物流センターの稼働で12カ所の首都圏の冷凍食品物流網が完成
同社の今9月期通期業績は、売り上げ1630億円(前期比2.5%増)、営業利益70億円(同35.1%増)、経常利益70億円(同28.8%増)、純利益40億円(同19.0%増)と予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。今年5月14日に発表した今期第2四半期(2017年10月~2018年3月期、2Q)累計業績は、前期に閉鎖した2物流センターの影響や、今年2月竣工の東京羽田物流センターの立ち上げ費用、減価償却費増などが重なって期初予想をやや下ぶれて着地したが、下半期に大きく持ち直す業績予想となっている。
下半期が、冷凍食品の需要期入りとなるほか、ノルウェーのトラウト養殖事業の利益貢献度が高まり、東京羽田物流センターが、昨年6月稼働の幸手物流センターに続いて稼働を開始し、さらに今期中にマレーシアの海老養殖事業が始動してトラウト養殖事業に並んで垂直統合型ビジネスモデルが収益化軌道に乗ることなどが寄与する。猛暑により冷凍食品の需要が増加することも想定され、今年8月中旬に発表予定の下半期立ち上がりの今期第3四半期(2017年10月~2018年6月期、3Q)決算の動向が注目されている。なお今期配当は、期末に設立70周年の記念配当3円を上乗せして13円とし、年間配当を23円(前期実績20円)に増配する。
■年初来安値を前に踏みとどまってダブル底を形成し4月相場の再現が有力
株価は、昨年12月に幸手物流センターに試験導入したトラック予約受付システムを評価して昨年来高値1224円をつけ、年明け後は、米中の貿易摩擦懸念による世界同時株安に巻き込まれて年初来安値972円へ調整、売られ過ぎとして、4月にいったん1136円までリバウンドしたが、足元では米国の追加制裁関税、中国の報復関税発動を嫌った世界同時株安に直撃され975円へ再調整、年初来安値を前に踏みとどまってダブル・ボトムを形成した。PERは12倍台、PBRは0.74倍、配当利回りは2.34%と売られ過ぎが明らかで、4月相場の再現が有力で、この時の戻り高値が目先の上値目標となろう。(本紙編集長・浅妻昭治)