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夢真ホールディングスは出直り期待、18年9月期大幅増収増益予想で上振れの可能性
- 2018/7/13 07:36
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は、建設技術者派遣事業や製造・IT業界向けエンジニア派遣事業などを展開している。需要が高水準に推移して18年9月期大幅増収増益予想である。7月12日発表した建設技術者派遣の6月速報値は売上高が34%増、営業利益が98%増と好調である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。株価は戻りの鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■建設技術者派遣事業やエンジニア派遣事業を展開
単体ベースの建設技術者派遣事業を主力として、子会社の製造・IT業界向けエンジニア派遣事業、その他事業(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成など)も展開している。グループ合計の稼働技術者数は17年12月に6000人を突破した。
中期経営計画(18年9月期~20年9月期)では、20年9月期の売上高600億円、営業利益79億円、純利益50億円を目標に掲げている。セグメント別には、建設技術者派遣の売上高380億円、営業利益60億円、期末技術者数6200人、エンジニア派遣の売上高205億円、営業利益17億円、期末技術者数4600人、その他事業の売上高15億円、営業利益2億円としている。
なお株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上で維持する。ROEは30%以上を目指す。さらに東証1部への市場変更を目指すとしている。
経営リソースを成長セグメントに集中し、管理機能や人的資源の有効活用を図るためグループ再編も進めている。17年12月には連結子会社Keepdataの株式を譲渡した。一方で連結子会社の夢真テクノロジーがエンジニア派遣事業のクルンテープを子会社化した。18年8月(予定)には夢テクノロジーと夢エデュケーションが合併する。
また18年5月には、レッドスタックジャパンおよびヴァルハルゲームスタジオと3社共同で、建築物の3次元データベースであるBIM分野での戦略的パートナーシップ協業を開始した。
■18年9月期大幅増収増益予想で上振れの可能性
18年9月期連結業績予想は売上高が17年9月期比27.8%増の390億円、営業利益が90.5%増の45億円、経常利益が85.7%増の45億円、純利益が2.0倍の29億円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間35円(第2四半期末15円、期末20円)で、予想配当性向は90.0%である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比33.2%増の193億38百万円、営業利益が2.0倍の25億87百万円、経常利益が86.9%増の25億57百万円、純利益が2.3倍の18億71百万円だった。売上総利益率は30.8%で1.5ポイント上昇、販管費比率は17.4%で3.0ポイント低下した。特別利益には関係会社株式売却益4億40百万円を計上した。
建設技術者派遣、エンジニア派遣とも需要が高水準に推移し、稼働人数の増加、稼働率の上昇、派遣単価の上昇、採用活動の効率化で大幅増収増益だった。採用活動も順調で、18年3月末の技術者数は建設技術者派遣が25.5%増の4852人、エンジニア派遣が40.1%増の1934人となった。
セグメント別に見ると、建設技術者派遣は売上高が32.0%増の143億92百万円で営業利益が72.6%増の25億20百万円だった。エンジニア派遣は売上高が38.8%増の47億60百万円で営業利益が53.5%増の2億81百万円だった。その他事業は取捨選択が進展して売上高が8.6%減の2億24百万円だが、営業利益は1億28百万円の赤字(前年同期は2億76百万円の赤字)で赤字が縮小した。
通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.6%、営業利益が57.5%、経常利益が56.8%、純利益が64.5%と順調である。
建設技術者派遣の月次速報値によると、売上高は稼働人数増加や派遣単価上昇で4月35%増、5月36%増、6月34%増と好調に推移し、営業利益はコスト管理も寄与して4月90%増、5月85%増、6月98%増と大幅伸長している。また技術者採用は通期計画2500人に対して17年10月~18年6月累計2087人と順調である。
稼働人数、稼働率、派遣単価が高水準に推移して通期予想は上振れの可能性が高いだろう。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は地合い悪化も影響して戻りの鈍い展開だが、5月29日の直近安値1037円から徐々に下値を切り上げている。
7月12日の終値1124円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円89銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS160円67銭で算出)は約7.0倍、時価総額は約838億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)