【編集長の視点】綿半HDは反落もリニューアル店舗開業で連続最高業績を見直して売られ過ぎ訂正買いが継続
- 2018/7/20 08:36
- 編集長の視点
綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日19日に85円安の3040円と3営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、5営業日ぶりに小反落し上値が重くなったことが響き、今年7月5日につけた年初来安値2947円から200円幅の底上げ途上にあった同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、同社が、今年7月30日に予定している今2019年3月期第1四半期(2018年4月~6月期、1Q)決算の発表を前に、これに先立って今年7月11日に「綿半Jマート富士河口湖店」を「綿半スーパーセンター富士河口湖店」へリニューアルしてオープンしたことなどから、今3月期通期業績が4期連続して過去最高を更新することを手掛かりに売られ過ぎ訂正買いが続いた。今年2月2日につけた上場来高値4875円からの絶対高値期日通過目前で、信用取組も、薄めながら売り長で逆日歩がつく好需給となっており、売り方の買い戻し思惑も誘っている。
■7月11日に「スーパーセンター富士河口湖店」が開店し第1弾・第2弾の記念セールを実施
「綿半スーパーセンター富士河口湖店」は、ホームセンター業態の「綿半Jマート富士河口湖店」を「買い物だけじゃない、体感できる店」をコンセプトに食品、ガーデニングを強化したスーパーセンター業態にリニューアルして開店したもので、オープンセールの第1弾を7月11日~16日、第2弾を7月18日~23日に予定し、開業以降の業績寄与期待を高めている。
毎月発表している既存店の月次売上高も、昨年12月に閉店した老朽化した三鷹店の影響で前年同月に比べてマイナスが続いているが、ここにきてこのマイナス幅が縮小するとともに、客単価が、「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略」の奏功でプラスに転じてきており、新店舗効果がこれに上乗せとなる。
一方、今2019年3月期業績は、売り上げ1028億1000万円(前期比0.4%増)、営業利益24億4100万円(同4.1%増)、経常利益24億400万円(同4.1%増)、純利益15億3600万円(同3.6%増)と見込み、4期連続の過去最高更新となる。今期配当も、前期に創業420周年の記念配当5円に普通配当1円の増配も加わり年間32円(前々期実績26円)へ大幅増配したが、今期は普通配当として年間32円を予定しており、普通配当は、5円の連続増配とする。業績面では、今年7月30日に発表される今期立ち上がりの今期1Q業績がどのようか進捗率を示すか注目を集めることになる。
■絶対高値期日一巡に売り方の買い戻しも加わってまず3分の1戻しを目指す
株価は、前期の記念増配が、同社の創業420周年をベースとしたことでサプライズ感を強め上場来高値4875円まで急伸し、4000台を固める動きを続け、配当権利落ちに相次ぐ世界同時株安へのツレ安で3000円台へ調整、同社が貿易事業で展開している後発医薬品の原薬を手掛ける同業他社の新規株式公開で3560円へリバウンドしたものの、米中貿易戦争勃発で年初来安値2947円へ再調整した。足元では、「綿半スーパーセンター富士河口湖店」の開店で3000円台を回復しており、絶対高値期日一巡に売り方の買い戻しも加わり一段の底上げに進み、まず最高値から年初来安値までの調整幅の3分の1戻し水準の3600円台回復を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)