【株式評論家の視点】新明和工業は今3月期増配、配当取りできる

株式評論家の視点

 新明和工業<7224>(東1・売買単位1000株)は、2015年3月期末の配当を2円増配して年14円にすることを決定した。積極的な株主への利益還元は今後の業績見通しに対しても明るいことを意味する。株価は見事な右肩上がりのパターンを描いており、目先、下押した局面はすかさず買いたい。主力の航空機、特装車事業の好調などで2015年3月期の営業利益は過去最高益を更新する見込みである。

 主力の航空機事業が好調に推移している。米国ボーイング向けの「787」向け主翼スパーの納入機数が増加していることによる。また大型ダンプカーも震災復興向けに需要が拡大中で、佐野工場の生産ラインを約1割アップして年産6000台体制とした。

このため、2015年3月期は売上高1870億円(前期比7.5%増)、営業利益110億円(同1.2%増)、経常利益113億円(同1.2%減)、当期純利益75億円(同0.7%増)と増収営業増益となる見込みである。営業利益は僅かだが2014年3月期の実績を抜き過去最高益を更新することになる。配当は2年増配して期末配当は8円とする意向で年間14円配当となる。

続く2016月期3月期は売上高1887億円(今期予想比0.9%増)前後、営業利益115億円(同4.5%増)前後、経常利益118億円(同4.4%増)前後、当期純利益78億円(同4.0%増)前後が期待できるという見方がマーケットの一部で出ている。となると営業利益はもちろんだが、経常利益も過去最高益(2014年3月期実績114億4000万円)を更新することになる。予想一株当たり利益は78円20銭(今期75円20銭)に向上する。配当は年間14円配当を継続するものと予想される。

先行きの明るさを反映して株価は理想的な右肩上がりのパターンを形成している。外国人投資家の持ち株比率が上昇(2013年9月末23.5%、2014年9月末29.2%)しており、しかも、信用買い残高が減少するなど需給関係は良好だ。買い方の回転が効いているために、下押した局面ではすかさずに買い物が入るようだ。

昨年来高値は1395円(15年3月)、同安値は777円(14年2月)、著おきん20日は1294円。(志木克己)

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