キッセイ薬品工業は戻り高値圏、19年3月期の薬価改定影響は織り込み済み

株式市場 銘柄

 キッセイ薬品工業<4547>(東1)は、泌尿器分野や腎・透析分野を主力とする中堅医薬品メーカーである。19年3月期は薬価改定影響や販売強化費用増加などで減収減益予想だが、株価は織り込み済みで戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。なお7月31日に第1四半期決算発表を予定している。

■泌尿器分野や腎・透析分野が主力の中堅医薬品メーカー

 泌尿器分野や腎・透析分野を主力とする中堅医薬品メーカーである。主力製品には排尿障害改善薬ユリーフ、高リン血症治療薬ピートル、腎性貧血治療薬エポエチンアルファBS、潰瘍性大腸炎治療薬レクタブルなどがある。

 パイプラインには過活動膀胱治療薬ビベグロン(KRP-114V、導入品、承認申請中)、高リン血症治療薬ピートル顆粒(導入品、剤形追加、承認申請中)、腎性貧血治療薬JR-131(導入品、第3相)、ANCA関連血管炎・C3腎症・非典型溶血性尿毒症症候群CCX168(導入品、第3相)、透析患者のそう痒症治療薬MR13A9(導入品、第2相)、潰瘍性大腸炎治療薬AJM300(導入品、第3相)、脊髄小脳変性症治療薬KPS-0373(導入品、第3相)、抗悪性中皮腫薬YS110(導入品、第1・2相)などがある。
 18年5月には、脊髄小脳変性症治療薬KPS-0373の第3相臨床試験において、主要評価項目である運動失調を評価するSARA合計スコアの変化量について、プラセボと比べて統計学的に有意な改善が認められなかったと発表している。

■19年3月期減収減益だが増配予想

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.1%減の717億円、営業利益が20.1%減の79億円、経常利益が22.0%減の89億円、純利益が27.0%減の66億円としている。

 薬価改定の影響、技術料売上の減少、売上原価率の上昇、販売強化費用の増加などで減収減益予想としている。ただし配当予想は2円増配の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

■株価は戻り高値圏、19年3月期の薬価改定影響は織り込み済み

 株価は戻り高値圏だ。7月5日の直近安値2897円から反発し、7月18日には3150円まで上伸した。7月20日の終値は3110円、今期予想連結PERは約22倍、時価総額は約1611億円である。

 週足チャートで見ると一旦割り込んだ26週移動平均線を素早く回復して先高観を強めている。上値を試す展開を期待したい。

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