テラは売り一巡感、樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す
- 2018/7/24 06:51
- 株式投資ニュース
テラ<2191>(JQ)は樹状細胞ワクチン療法を中心とするバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン療法の薬事承認を目指している。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。
■樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す
東京大学医科学研究所発バイオベンチャーである。独自に開発したがん治療技術「樹状細胞ワクチン療法」を契約医療機関に提供する細胞医療事業を主力として、新規がん抗原および培養法、新規免疫療法など、がん領域において再生・細胞医療に関する研究・開発を行っている。
細胞医療事業は契約医療機関における症例数に応じた収入が収益柱である。17年12月期末の契約医療機関数は全国34ヶ所(内訳は基盤提携7ヶ所、提携6ヶ所、連携21ヶ所)だった。
子会社テラファーマは樹状細胞ワクチンの薬事承認を目指し、17年3月和歌山県立医科大学病院において開始した膵臓がんを対象とする樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験に、樹状細胞ワクチンを提供している。
子会社タイタンは治験支援、子会社オールジーンはゲノム解析を行っている。18年2月には細胞加工の製造受託事業に参入すると発表し、18年3月には新規がん抗原ペプチドの提供開始を決定した。
なお7月12日には製薬バイオベンチャーであるレクメド社との創薬プロジェクト加速を目的とした基本合意の締結、7月18日には台湾のバイオテクノロジーグループであるVBG社との免疫療法の台湾における開発に向けた覚書の締結を発表している。
■18年12月期は赤字拡大予想
18年12月期は、細胞医療事業における症例数の減少、研究開発費の増加で赤字が拡大する見込みだ。第1四半期は症例数の減少などで赤字が拡大した。契約医療機関における累計症例数は18年3月末時点で約1万1770症例となった。通期では新規契約医療機関の開拓などで細胞医療事業の症例数回復を目指すとしている。
なお6月13日に、第三者割当による新株式および行使価額修正条項付第18回新株予約権の発行を発表している。
■株価は売り一巡感
株価は水準を切り下げる展開で7月5日に422円まで下押す場面があったが、その後は430円~450円近辺で推移して売り一巡感を強めている。ほぼ底値圏だろう。7月23日の終値は435円、時価総額は約76億円である。